司馬遼太郎『梟の城』
司馬遼太郎『梟の城』新潮社版 P652を本日読み終えました。先日、司馬遼太郎の短編小説「伊賀の四鬼」読んだことから、同じ伊賀忍者が登場するこの小説を読むことにしました。司馬遼太郎は、この小説で1959年に直木賞を受賞しています。私がまだ生まれる前のことです。司馬遼太郎は、歴史小説の第一人者で、NHK大河ドラマの常連です。『竜馬がゆく』『国盗り物語』『花神』『翔ぶが如く』『徳川慶喜』と44作品の内5作品の原作を提供しています。今回読んだ『梟の城』は、大河ドラマにはなっていませんが、1999年に映画化されています。主人公の葛籠重蔵は、一族を織田信長によって惨殺された伊賀忍者で、その怨みを豊臣秀吉に転化し、暗殺をねらうことになります。豊臣秀吉と忍者の組合せから、この時代に処刑された大泥棒石川五右衛門が出てくるだろうと想像していました。葛籠重蔵が下忍の黒阿弥を使って盗賊を働くころから、登場する忍者の中で、誰かが石川五右衛門を名のるだろうと予想して読み進めていた。結末は、登場人物の性格などから予想ができましたが、楽しめる小説でした。