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行きかふ人も又

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2009.06.05
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 以前、『真夏の夜の夢』を見たトルンカ監督。
「人形劇 三国志」や最近は映画 『死者の書』 で知られる人形作家・川本喜八郎さんは、本作に衝撃を受けて、自費でチェコへ渡りトルンカ氏に師事したのだそう。
それくらい当時としては、斬新な人形アニメーションだったのでしょう。


実写とアニメーションを組み合わせ、少年の見る夢を人形で描く――というスタイル。
やはり内容よりは映像と音楽のコラボレーションや、細部に凝らされた意匠の数々に目がいってしまいます。
いや、ほとんど台詞があるわけではないから、内容は曖昧なのかも。原作はアンデルセン童話なのですけどね。

アンデルセンといえば、どんな作品があったかとwikiで調べていたら、面白い事実を発見。

アンデルセンは極度の心配性であったらしく、眠っている間に死んだと勘違いされて、埋葬されてしまった男の噂話を聞いて以来、眠るときは枕元に「死んでません」という書置きを残していた。

マジですか。(笑)おもしろい人だったんですね。



ところで映画の内容はというと、お邸に住む少年が見た夢のお話。部屋に転がっているおもちゃの中華人形を主人公にした夢。
邸の外では愛らしい少女が一緒に遊びたそうにしているのに、彼は門から出られずに、拗ねたように不満そうに昼寝を始めて夢を見る―――。

 若き皇帝(中華人形)ははじめて見る鶯の姿と声に魅了され、従僕や母君に頼んで鶯を捕らえようとするのでした。 

この従僕たちがなんとも愛嬌があってかわいらしい!
まるで『チャーリーとチョコレート工場』のウンパルンパです。
同じ動きをする人形たちの表情はみんな同じじゃなくて、もちろんCGではなく少しずつ人形を動かして撮りあげた産物。半世紀早く生まれたウンパルンパと思えば、やはり斬新。


お邸から出てはいけないと言われてるのか、不安そうで不満そうだった少年は、やがて長い夢の後で、ボール遊びに興じる少女の元へと門を開き飛び出していきます。
自由になった少年の笑顔はじつに爽やか。
幾度も寝てしまったにも関わらず、内容的にはまずまずでしたが興味深く見ました。
人形アニメーションがお好きな方なら楽しめる作品だと思います。人形劇の歴史を感じました。




●  ●  ●  ●  


監督  イジー・トルンカ ミロシュ・マコヴェツ
原作  アンデルセン
脚本  イジー・トルンカ  イジー・ブルデチュカ
撮影  フェルディナンド・ペチェンカ
音楽  ヴァーツラフ・トロヤン
出演  ヤロミール・ソボトア  ヘレナ・パトチュコーヴァ

(カラー/73分)






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Last updated  2009.06.07 14:13:10
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