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2011.11.26
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カテゴリ:スペイン映画
 ながいこと観たいと思い続けてきた、ヴィクトル・エリセ監督の『ミツバチのささやき』。
期待したわりに、内容がよくわからなくってびっくりしたけれど(笑) すごく好きだった。
ノスタルジックで幻想的な世界。

画面がとにかく魅惑的なもので。古いお屋敷、オルゴールつき懐中時計、調律されないピアノ、ドン・ホセという名の人体模型・・・・。もはや蠱惑にちかいほど惹かれてしまう。
会話のないやつれた大人たちをよそに、子どもたちの空想力は果てなく広がり、研ぎ澄まされたアナの感性は眩しくて、子どもの目を通して内戦の傷痕と、人々の営みを眺めたら、いつもは気づかないことに気づけそうだった。

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おもしろいのは、屋敷の窓が六角形の格子柄、蜂の巣模様であること。ガラスの巣箱で蜂を観察している父親みたいに、じぶんが屋敷の外から、六角形の格子を通してアナ家族を観察している気持になってくる。

「報われることのない過酷な努力、眠りはなく、休息は死である」

父親の書きつけたミツバチの記録は、そのまま過酷な時代に生きる人間に通じる。

原題は『ミツバチの巣箱の精霊』なのだそうだ。精霊がいるとすればそれはアナだった。無垢で純粋なこころのアナだった。

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 1940年代、スペイン中部の小さな村。『フランケンシュタイン』が巡回映画で上映され、少女アナ(トレント)は、フランケンシュタインにすっかり魅せられてしまう。姉のイザベル(テリェリア)から、怪物は村外れの廃屋に隠れていると聞かされたアナは、信じてひとり廃屋まで出かけ、スペイン内戦で傷ついた脱走兵と出会う――。

村はずれの廃屋、負傷兵との束の間の交流は予想もしない悲しい結末に終わり、失意のアナは森へ家出した。夜も更けて、水縁にしゃがみこむアナは、あの映画のフランケンシュタインに出会う・・・・古典へのオマージュを込めた、なんてフシギな物語。


  
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原案・監督  ヴィクトル・エリセ
  脚本  アンヘル・フェルナンデス=サントス  ヴィクトル・エリセ
  音楽  ルイス・デ・パブロ
  出演  アナ・トレント  イザベル・テリェリア  フェルナンド・フェルナン・ゴメス

   (99min)







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Last updated  2011.11.27 15:47:15
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