天の川~銀河系~宇宙
はくちょう座とこと座(ウィキペディアより) 夏空が広がってきた。 天の川が、われわれの帰属する銀河系の星たちを見ていることは、どこかで教わって知っていた。そして銀河系の形なり、大きさなりは、ネットを調べれば、優れた記載が数多くある。しかしそれを読んでも、天の川やそこに存在する地球生命を実感した気持ちにはなれない。 実感するためには、満天に輝く星々や中空にうねる天の川を自分の眼で見るしかない。ただ残念なことに今の日本では、畏怖感を呼び起こすような漆黒の空になかなか出会わない。しかし終戦直後の子ども時代に見上げた夜空や、青春時代、高山に張ったテントから覗いた夜空を鮮明に覚えているのは、瞬きもしない星たちが空に散らばっていたからにちがいない。 地球は太陽の周りを回る。だから天の川は季節により変化する。そのことを十分に意識していなかったのは、机上の知識に開いた穴だった。銀河系の中心は、星座で言えば、いて座の方向。いて座が見えやすい季節は夏、だから銀河系の中心に集まった星々は、夏にわれわれを圧倒する。冬になれば、銀河系の中心は太陽の方向と重なってしまう。そのとき見ている天の川は、星影が薄い銀河系の縁の方向。 銀河系もまた、太陽系を伴って回転する。いつか「フォトンベルト」を話題にしたとき、太陽の公転は何年かとすごく気になった。今になって調べてみると、22,500年だという。そして中心からの距離によって、それぞれの星の1周に要する時間が異なるとなれば、これから星座の形が変わることはないのか。現在の星座の歴史は比較的新しいもののようで、すでに変わっていたとしても誤差の範囲なのかもしれない。 わし座の彦星(アルタイル星)が25.3光年、こと座の織姫(ベガ星)が16.7光年と、地球からの距離は比較的近い。だからどうだというわけでないが、「永遠に」近づきも離れもしないの?