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2017.12.26
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テーマ:里山生活系(100)
カテゴリ:父の麦わら帽子
 子供の頃、岡山の田舎に住んでいた。
今から60年以上前のことだ。

その頃、野菜は全て、自分の家で出来たものだった。
茸など野菜以外のものも、自分たちで山からとってきた。

魚や貝は、川からとってきた。
 そんな暮らしだったから、卵を得るために、みんな、自分の家で鶏を飼っていた。
家の南にある縁側が鶏小屋の屋根になり、その下に金網をはって、鶏小屋にした。
よその家の縁側に座ると、鶏に足をつつかれないように気を付けなければならなかった。

我が家は、南に縁側がなかったので、昼間は、放し飼いにし、
夜になるとものすごく大きな籠を伏せて鶏が逃げないようにした。
 ある時、父は
「鶏小屋を作る」と言った。

家の南の一角に、細めの角材を何本も地面に打ち付けた。
そこに、金網を張って、トタン板を屋根にした。

細めの角材を地面に打ち付けている時、妹が

「お父ちゃん、全部で何本?」と角材を見て言った。

「●●本じゃ」と父。
「じゃあ、今●◎本じゃから、後、〇本じゃ!」と妹が言った。

妹は、まだ小学校にも行ってないのに、二桁の暗算が出来ると父がたいそう喜んだ。
たまご 鶏が生んだ、たった一つの卵を、わずかなお金を得るために、近所に売った。

自分の家で食べることもあったが、
一つでは卵焼きは作れず、
ゆで卵には、けんかになるので、溶いて味噌汁に入れ食べていた。

小さい頃がそんなだったからか、今、冷蔵庫の卵ポケットに卵がいっぱいだと豊かな気持ちになる。

お正月には、卵焼きや、ゆで卵をたくさん作ろうと思う。
あの頃の思いを満たすように、私は卵が好きだ。

とり年ですから

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Last updated  2017.12.26 11:28:05
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