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2021.06.09
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テーマ:読書(8615)
カテゴリ:読書
■あきない世伝金と銀(十)合流編■

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
呉服太物商でありながら、呉服仲間を追われ、呉服商いを断念することになった五鈴屋江戸本店。
だが、主人公幸や奉公人たちは、新たな盛運の芽生えを信じ、職人たちと知恵を寄せ合って、これまでにない浴衣地の開発に挑む。
男女の違いを越え、身分を越えて、江戸の街に木綿の橋を架けたいーそんな切なる願いを胸に、試行錯誤を続け、懸命に精進を重ねていく。
両国の川開きの日に狙いを定め、勝負に打って出るのだが…。
果たして最大の危機は最高の好機になり得るのか。
五鈴屋の快進撃に胸躍る、シリーズ第十弾!!

 発売前から図書館で予約。
発売後、3か月ほどでやっと借りることが出来た、■「みをつくし料理帖」■などで有名な高田郁の人気シリーズだ。
今回は、浴衣の誕生。
私も寝間着に浴衣が着たいと思った。
●読書メモ● ◎は私のつぶやきなど。

●「万筋(まんすじ)と棒縞(ぼうじま)をこっちへ。
子持ち縞
も用意してもらいまひょか」

◎江戸時代の着物の模様が面白い。

●大川での夕涼みは、皐月二十八日から葉月二十八日までの三月の間、と決められている。
その間、川岸の茶屋や料理屋、見世物小屋等は、夜半までの商いを許された。
夜空を彩る花火もまた、蒸し暑く寝苦しい夜を慰める、江戸っ子たちのちょっとした行楽になっている。

◎■大坂 夕涼みの場としての橋
近世になると、大坂の町人は橋の上を集会場のように使ったらしい。
落語「遊山船」では、夏の夜に町人達が橋の上に繰り出して、眼下を流れる船を観察して楽しむ光景が語られている。


●端午の節句を控えたこの時季になると、諏訪町河岸に急拵(きゅうごしら)えの水練稽古小屋が現れて、葉月半ばに至るまで、
徒歩組(かちぐみ)が水泳の稽古を行うのだ。
動けば汗ばむとはいえ、川の水はまだ冷たい。


●正月とお盆の十六日は、湯屋に奉公する者にとって、特別の日であった。
この日に客が祓う入浴料は、薪代を除いて、全て奉公人の懐に入る仕組みだった。
廉い賃金で、なかなか辛い仕事だが、この日のご祝儀で一息つけるのだ。
●時折り、ちょんちょん、と聞こえる音、あれは花売りの老女が鋏を鳴らす音だった。

◎本の中に物売りの声が沢山あって江戸の風情を感じる。
花売りもそのひとつ。


♪しじみぃ しじみよぅ
しんじみぃ  しんじみよぅ

ざあざあ、と濁った雨音に混じって、幼い蜆売りの悲しげな売り声が届く。

浅蜊(あさり)ぃ、むっきん
浅蜊ぃ、剥き身よっ

浅蜊売りの威勢の良い売り声が、陽炎の中に溶けていく。


かーーーやーーーー
 かーーーやーーーー
近江(おうみ)のーーかーーーやーーー

近江蚊帳を売る者が、美しく長閑(のど)やかな声を長々と響かせて、表通りを行く。

よーい、よーい
 よーい よーい

竹町(たけまち)の渡しを行く一艘の舟から、船頭の声が風に乗って届く。
常は哀切に満ちた声なのだが、蒼天のもと、晴れ晴れと、そして伸びやかに尾を引く。

てんやぁ、 ところぉてん
ところぉてん、てんやぁ

雨の匂いが残る表通りを、心太(ところてん)売りが良い声を上げて過ぎていく。

枝豆やぁ 枝豆
 名月にぃ、枝豆ぇ

束ねた枝豆を胸に抱えて枝豆売りが街を行くのも、この時期の風物詩だった。(略)
「(略)それと、鞘豆(さやまめ)、否、枝豆も忘れんように買うときなはれや」
お竹はきびきびとお梅に命じて、再び掃除に戻った。
 ☚鞘豆
◎大坂では、枝から外して鞘だけにして売るので「鞘豆」と言うが、江戸では枝ごと売るので「枝豆」と呼ぶ。
江戸に来てもつい癖がでて、鞘豆と言ってしまうお竹だ。

秋来(き)ぬと目にさや豆のふとりかな  
大伴大江丸   
■という俳句もある
 「あきない世伝金と銀10」ではないが、物売りの声。

鉢植えぇ 寄せ植えよぅ
福寿草ぉ 白梅ぇ 室咲きの白梅よぅ


♪とんとん、とんがらし
とんがらしの 根引きよぅ 
「唐辛子売り」

♪枇杷ぁ 枇杷の実ぃ
甘い 甘い 枇杷ぁ


天満名物、天満の大こーん
皮のうすーい、甘い、甘い大こーん 



◆江戸時代初期に描かれた「江戸図屏風」「江戸名所図屏風」などを見れば、男女とも着物の丈は「つい丈」、つまり身丈と同じだったことがわかります。
男性の着物は、その後も変わらず、今に至るまで「つい丈」のままです。
しかし女性の着物に関しては、江戸時代中期以降、丈が長くなり、室内では引き摺るようになりました。
外出時には、裾が邪魔にならないようにたくし上げ、「抱え帯」と呼ばれる、柔らかな紐を締めました。(略)
今は、腰の辺りで着物をたくし上げて「おはしょり」を作り、その上に帯をしますが、この形になったのは、明治時代とされています。


◆「あきない世伝金と銀」は、物が売れないという2月と8月に刊行される。

「治兵衛のあきない講座」より。

◆この役は誰がいいのかと実写化になった時のことを考えながら読んでいる。
そんな中で、この役は、この人以外考えられないという人がいる。

まだ10代の歌舞伎俳優で、その美貌で人気の吉之亟。
吉之亟には、八代目市川染五郎でお願いします。m(_ _"m)
キリリと濃い眉、きりっと切れ長な目、色っぽい口元と・・・完成された美少年!!!

ただいま、16歳の染五郎以外考えられない!!

「時分の花」という言葉があるが、まさにそれ!
今しかない美しさに、早く実写化して欲しいと思う。
市川染五郎:写真・蜷川実花
染五郎:注目の美少年歌舞伎役者
おしゃれ手紙:染五郎にネットざわつく
あきない世伝金と銀 1
あきない世伝金と銀 2
あきない世伝金と銀 3
あきない世伝金と銀 4
あきない世伝金と銀 5
あきない世伝金と銀 6
あきない世伝金と銀 7
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あきない世伝金と銀 9
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Last updated  2021.06.10 13:03:03
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