テーマ:懐かしい昔の話(549)
カテゴリ:父の麦わら帽子
今から60年以上前、私は岡山県の田舎で小学生で、夏休みになると、毎日、毎日泳いでいた。
水着など買える環境に無くて、小さい頃は、パンツだけ。 少し大きくなると、母が親戚でお古の水着を貰ってきてくれた。 そんな訳で、浮袋など買ったことは無かった。 ちょっとは泳げたし、だいたいの子どもはそんなものだったから、浮袋が無いのが辛いとは思ったことがなかった。 そんなある時、水泳の場に、浮袋を持ってきた子がいた。 いや、正式に浮袋として買ったものではなく、タイヤチューブに空気を入れて浮袋として使っていたのだ。 タイヤチューブの浮袋を持ってきた子は、ぷかぷか浮いて気持ちよさそうに川面に浮かんでいた。 当時、自転車がパンクすると、各自家で修理していた。 この浮袋も、パンクして車に使うことが出来なくなったタイヤを貰ってきて、修理して浮袋にしたのではないかと私は思った。 家の帰って父にその話をした。 羨ましそうな顔をしていたのかもしれない。 そんな私に父は言った。 「アメリカじゃぁ、タイヤの古手の捨てる場所に困っとるそうじゃ」。 後年、児童公園などで、古タイヤを使った遊具を見るたびに、 「日本も、捨てる所がなくなったからこういう使い方をしているのか・・・」と思っている。 ■先日、映画「サバカン SABAKAN」■を見たが、その中に、古タイヤで作ったらしき浮袋を持っている若い女性が出ていた。 今もあるのかと検索したら、なんといらなくなったタイヤチューブを浮袋用に売っていた。 それを知って、ぼんやりとしていた60年以上前の夏が急に鮮明になった。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.08.26 00:28:08
コメント(0) | コメントを書く
[父の麦わら帽子] カテゴリの最新記事
|
|