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2022.12.26
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カテゴリ:父の麦わら帽子
もろぶた 私の子供の頃、今から65年以上前の年末は忙しかった。
正月の三が日くらいは、ばたばたしないようにと、いろんなものの準備をしなければならないからだ。
山へ薪をとりに行かなくてもいいように、早くから山に薪をとりに行く。
洗濯機のない時代だったけれど、正月は、こざっぱりと、洗った服を着なければならない。
 雑煮で祝うために、餅つきの準備。
自分の家で作ったもち米を「かして」=水に漬けて、蒸篭で蒸して。
石臼で搗く。
搗き上がった餅は、母がちぎって、子どもの私たちが丸める。
その丸い餅は、「もろぶた」と呼ばれる木の箱に入れる。
 餅をもろぶたに並べながら父が
「昔、ワシが子どもの頃は、うちにゃあ、もろぶたが無(のう)てなぁ。
ワシのおかあは、餅を並べるために、新しい薦(こも)を編みょうった。」と言っていた。
 岡山県から兵庫県・龍野市に引っ越して、田んぼを持たなくなった。
故に、もち米を作らなくなった。
 その頃だろうか、餅つき機というものが出来たのは・・・。
父と母は、餅つき機でせっせと餅を搗いてくれた。
私は、せっせと餅を丸め、もろぶたに並べた。

親元を離れた私は、餅つきをしない。

 先日、夫の実家の柿をとった。
今年は柿のなり年で、置くところのないほどとれた。
「もろぶたに並べればいい」とひらめいた。

夫に、「もろぶたは、どこにある?」と尋ねると
「処分した」との答えだった。

もろぶたは、正月には、餅を搗いて祝うという日本の文化の一部だと思う。

もとぶたは、私の子どもの頃の正月を迎える象徴的な道具だったと気が付いた。

【もろぶた】餅や麹などを入れる浅い木箱。

1:室蓋(むろぶた)からの転でもろぶた説。
室=物を入れて置いて暖め、または外気に触れないように、特別の構造をした所
「もろぶた」は、浅い木の箱で、もとは麹を入れるためのものだったそうだ。
ゆえに、「こうじぶた」が訛って、「こうじゅた」と言っている人も大阪にいた。
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Last updated  2022.12.26 00:12:47
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