テーマ:懐かしい昔の話(548)
カテゴリ:父の麦わら帽子
私の子供の頃、今から65年以上前の年末は忙しかった。
正月の三が日くらいは、ばたばたしないようにと、いろんなものの準備をしなければならないからだ。 山へ薪をとりに行かなくてもいいように、早くから山に薪をとりに行く。 洗濯機のない時代だったけれど、正月は、こざっぱりと、洗った服を着なければならない。 雑煮で祝うために、餅つきの準備。 自分の家で作ったもち米を「かして」=水に漬けて、蒸篭で蒸して。 石臼で搗く。 搗き上がった餅は、母がちぎって、子どもの私たちが丸める。 その丸い餅は、「もろぶた」と呼ばれる木の箱に入れる。 餅をもろぶたに並べながら父が 「昔、ワシが子どもの頃は、うちにゃあ、もろぶたが無(のう)てなぁ。 ワシのおかあは、餅を並べるために、新しい薦(こも)を編みょうった。」と言っていた。 岡山県から兵庫県・龍野市に引っ越して、田んぼを持たなくなった。 故に、もち米を作らなくなった。 その頃だろうか、餅つき機というものが出来たのは・・・。 父と母は、餅つき機でせっせと餅を搗いてくれた。 私は、せっせと餅を丸め、もろぶたに並べた。 親元を離れた私は、餅つきをしない。 先日、夫の実家の柿をとった。 今年は柿のなり年で、置くところのないほどとれた。 「もろぶたに並べればいい」とひらめいた。 夫に、「もろぶたは、どこにある?」と尋ねると 「処分した」との答えだった。 もろぶたは、正月には、餅を搗いて祝うという日本の文化の一部だと思う。 もとぶたは、私の子どもの頃の正月を迎える象徴的な道具だったと気が付いた。 【もろぶた】餅や麹などを入れる浅い木箱。 1:室蓋(むろぶた)からの転でもろぶた説。 室=物を入れて置いて暖め、または外気に触れないように、特別の構造をした所 「もろぶた」は、浅い木の箱で、もとは麹を入れるためのものだったそうだ。 ゆえに、「こうじぶた」が訛って、「こうじゅた」と言っている人も大阪にいた。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.12.26 00:12:47
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