テーマ:懐かしい昔の話(548)
カテゴリ:父の麦わら帽子
今年4月の句会のテーマは「豆の花」だった。
桜が満開の季節にあって、豆の花など気が付かなかったが、改めて豆の花を見ると、なんときれいなことか・・・。 「きれい・・・」と桜を見上げて人々は口々に誉めそやす。 豆の花は、ほめられもせず、咲いていた。 いや、咲いていることも気づかれていなかったようだった。 私も句会のテーマが豆の花でなかったら、見なかっただろう。 今から65年以上前の田舎では、殆どの人が自給自足に近い暮らしをしていたと思う。 少なくとも私の家はそうだった。 畑には、いろんなものが植えられていて、時期が来れば、それを食べた。 今頃は、エンドウやそら豆のシーズンだ。 母に「エンドウを採ってきて」と頼まれると私は、籠とハサミを持って畑に向かった。 小学3~4年生くらいになれば、しっかりと膨らんだ豆を選ぶことは誰でもしっていた。 中には成長して皮が白くなっているのもあったので、慌てて採った。 或る程度籠にたまったら家に持って帰って、豆の鞘(さや)を剥く。 この作業も好きだった。 豆を剥きながら、生の豆を口に放り込んだ。 生臭い豆のにおいがしたが、嫌いではない。 剥き終わったら母が塩味の豆ご飯を炊いてくれる。 豆ごはんは続いた。 それは、米を節約するための母の工夫だったのだろうが、子どもだった私は、まったく気が付かなかった。 ソラマメは、塩ゆでして、おやつにした。 その頃、豆の花はを見ると、もうすぐ豆ごはんが食べられると楽しみにしていたものだった。 豆の花ほめられもせず咲きにけり はるな にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.04.26 00:04:31
コメント(0) | コメントを書く
[父の麦わら帽子] カテゴリの最新記事
|
|