後催眠 完全版
「後催眠 完全版」(松岡圭祐・著)を読みました。「千里眼シリーズ」の著者の別シリーズの「催眠シリーズ」の3作目となるものです。今回も小学館で書かれたもののリニューアルして角川から出版したものです。今回は「催眠シリーズ」の主人公の嵯峨敏也が臨床心理士の資格をとる前のはなしで第1作の「催眠」よりも時間的に前にあたるはなしです。嵯峨敏也は町中で携帯電話に謎の女性からかかってきます。「精神科医・深崎透の失踪を、木村絵美子という患者に伝えなさい。」といったものです。深崎透は嵯峨が研修中に講義を受けた先生でありました。その深崎は癌を患っていることがわかり、そのことも含めて、木村絵美子を訪ねます。そして、深崎のこと、そして絵美子がなにかを知っていることを感じながらもその場を立ち去ります。深崎が絵美子のもとにあらわれるといったところからはなしがつづいていきます。この作品はほとんどが木村絵美子と深崎透のはなしがすべてというか、絵美子の自立といった内容でした。(ネタばれになってしまいますので・・・)そして主人公の嵯峨敏也はどちらかといえば狂言回し的な存在でした。この作品の題名が物語の鍵であり、ファンタジーっぽい内容の作品でしたね。 「後催眠」(松岡圭祐・著)