上海モーターショー狂想曲♪
会場は、7-80度くらいの角度にひらいた翼のようになっていて、東側のウィングがE1, E2, E3, ...西側が W1, W2, W3, ....と、それぞれが大きな会場になっている。その三角のウィング上になっている大きな会場の間にできた逆三角形の区画に、トラック、消防車、タイや・メーカーなどが展示されている。さて、中国メーカーばかりの会場W1は、とばして最初にW2の部屋で、アウディ、VW, Skoda, プジョー、シトローエンを観た僕は、これくらいだったらいいペースで見られると思っていたら、とんでもなかった。次に、日本メーカーが沢山入った部屋で日産、インフィニティ、マツダ、三菱自動車、そしてついでに韓国のヒュンダイ(北京現代)をみた。日産は、GTRを展示していた。ここまではよかった。次にW4のBMWと、トヨタ、レクサスがあるW4では、BMWのブースで人が大混雑、押し合いへしあいしている。やっぱり、BMWは、中国人のあこがれのクルマのひとつなんだろうな、と思う。そして、BMWの会場の係員は非常に態度が悪く、人ごみを整理するのはいいのだが、上から目線な態度で、ひとをおいはらうような態度。また、お客も、BMWのさまざまなクルマを観て、さわって、写真をとってと大騒ぎ、わたしも一応、仕事で来ているので、どんなクルマを展示しているか写真をとらなければならないので、いい場所の争奪戦、おさえても、めげず、すきまに割り込んで写真を撮ろうとすると、こんどは、カメラをかまえた手にひとがぶつかってくる。脇をぐっとしめて、こちらも負けじと押し返す。まあ、格闘技みたいなものだ。ルールもなにもあったもんじゃない。日本では、おそらくこんなことはしないだろうと、自分で思いつつも、強引に割り込んでくる奴には、こちらも体当たり。しまいには、足技まで使って、「どうせ自分じゃ買えないんだから、クルマの前でポーズなんてとってるんじゃないよ」と、下品な考えが浮かんでくる。いけないいけない、と思いながらも、なんか中国人たちと勝負しているような気になっている自分がいる。結局、いろいろな区画の部屋のクルマをみたが、来ているお客さんは、いくつかのタイプにわかれる。1、まずは、あこがれのクルマを観に来たひとたち。BMW, ポルシェ、フェラーリなどの区画は、いついっても大混雑で、いわば、サッカーのプレミアム・リーグのあこがれの選手を見に来るのとおなじ感覚なんだろうなぁと思う。BMW, ベンツは、入場制限しながらも、一応、クルマに近づいて触ったりできるようにしていたが、ポルシャ、フェラーリ、マセラッティ、アストンマーチンなんかの高級スポーツカーは、しっかりさくがあって、お客さんはさくのそとから写真をとるしかない。2.買いたいクルマをチェックしに来ているひとたち中国では、よく展示会でも、「この車を売ってくれ」といって、その場で商談成立したりすることが多いようだが、モーターショーでもそういう側面があった。これも、さくがあって入れないベントレーのブースでは、みんなが写真をとりまくっている中、VIP待遇の中年夫婦のお客が、いろいろとクルマの説明を聞いている。これは、もっと下のクラスの車でも、そうで、トヨタのカムリ(といても、中国やアジアでは、カムリでも相当の高級車になる)や、中国の自動車メーカーのクルマでも、展示しているその場で、セールスマンとお客が、具体的な話をしている。もちろん、日本車や中国車は、その横で、ほかの客が写真撮ったり、クルマ触ったりしているのだが。面白いのは、お客がべたべたクルマに触った後を、すぐに布でふいてきれいにするスタッフが何人もいることで、客がべたべたに手のあとをつけても、すぐにぴかぴかにする。ところが、大衆車、普及車ほど、さわりたがるお客が多くて、スタッフの作業が間に合わない、といった感じになっていた。3.とにかく世界最高水準の最先端のテクノロジーを見に来ている人。これは、すでに実用化されているハイブリッド車に加えて、プラグイン・ハイブリッド、家庭の電源から充電できる電気自動車、水素自動車など。日本のトヨタ、ホンダ、日産、三菱自動車、すばるなどは、すでに実用化されているものから、今年、あるいは来年には市場に導入できるクルマと、もう少し先のコンセプトカーの両方が展示されていたが、中国メーカーのものは、コンセプトカーばっかりで、何社も展示しているが、はたしてこの中の何社が本当に、クリーンエネルギーのクルマを実用化できるかは、ちょっと疑問だった。4.モーターショーというイベントの場所に、遊びに来ているひとたちモーターショーで遊んじゃえ、ということで、雰囲気だけ楽しんで、クルマはとくにどのクルマがみたい、ましてや、わたしのように、主要なクルマは全部チェックする、というのとは全く正反対の人たち。カップルや、友人同士、家族できていて、クルマはほどほどにみて、あとは外で、お弁当を食べたり、展示会場の床に座って休んでいたり。。。5.写真をとりにきているひとこれが、日本のようにカメラ小僧みたいのがいるだけではなく、カメラ小娘も沢山いる。高級一眼レフを持ってきている(でも、プロじゃない)男性も女性も多く、デジカメや携帯のカメラで写している人も多い。しかも、彼らが撮影しているのは、クルマそのものクルマとポーズをきめた自分(または友人、家族)クルマと女性のコンパニオン(背が高くすらりとした女性が多い)や、男性のモデルそれに加えて、クルマは背景でしかなく、クルマ、コンパニオンと自分コンパニオンだけ、コンパニオンと自分と、記念撮影しているひとがものすごく多い。例えば、若いカップルがモーターショーにみに来ていて、男性が彼女にカメラをわたしで、自分とコンパニオンを撮影させているシーンを何度もみた。そんなことして、ケンカにならないのかと思うのだが。あと、全くの素人の女性のお客さんが、クルマのよこで、きめきめのポーズをとって(体でしなをつくったりしている)、彼や、友人や家族に写真を撮らせているパターンもものすごく多かった。結局、1台のクルマに対して、6パターンの写真の撮り方があるので、人気のクルマのまわりは全然、ひとが前に進まず、大混雑で、押し合いへしあいするわけだな、と思った。最後に、アメリカ車をみたが、フォードは小型車や新しい小型車を発表していたが、GMやクライスラーは、こりずに、バカでかいクルマを展示していて、こんなバカでかいクルマをまだ買う人がいるのかな、世界の中でも、アメリカ人と中国人だけは、まだ、バカでかいクルマが好きなのかなぁ、などと思った。GMは、キャデラックのハイブリッド車を発表していたが、ハイブリッド車を高い値段で売るくらいなら、小型車を開発したほうがよっぽど地球のためだぞ、と思うのだが。。