やさしい台湾の人達
今日はジミーの通っている台湾の禅寺で旧正月のお祝いがあったので行ってきた。毎回、この禅寺に行くとお昼ご飯が食べられる。それがおいしいったらなんの!肉、魚、にんにくを使っていない料理なのに、肉魚好きな私でもとってもおいしいと思う料理。これ、日本にはないなあ。この料理のおかげで禅寺に行くのがとても楽しみになってしまった。色気よりも食い気だもんな、昔から(汗)。ところでこの禅寺に行くときに私は毎回心配していることがある。日本人と結婚した台湾出身の私のある友達が、この寺に行ったときにあるおばあさんと話していて、友達が日本人と結婚したということが分かったとたん「日本人なんか!」と文句を言い始めたんだそうだ。そのおばあさんはあまりに強い口調で日本人との結婚を責め立てたので、友達は泣き出してしまったそう。それを聞いて以来、いつそんな人が話しかけてくるかと覚悟を決めている。‥のだが。今日、お寺の人達と話していたらおばあさんが近寄ってきて中国語で何か話している。近くに日本語ペラペラのおばあさんがいて、通訳してくれたのだが「よい日本人のお嬢さんがいたら私の息子に紹介してください」と言っていたのである。「日本人はきれいな人が多いから」というのが理由だったが、警戒中の私は心の中で「本心はどう思っているか分からんぞ。」と思っていた。また別の中年のおばちゃんと話していたら息子が日本人のある女の子を好きになって、そのおばちゃんに「今好きな子が日本人なんだけど、お嫁さんが日本人でもいい?」と聞いてきた、というネタだった。おばちゃんは「もちろんいいわよ。日本人にはきれいな人が沢山いるからね」と答えたそうだ。実際その子はかわいいらしい。まあ、日本人が綺麗とか綺麗でないとかいう問題はさておき、お寺を出てから私は「うーん」と考え込んでしまった。台湾について日本で働いていた頃の私の上司は「台湾では日本は良い占領のしかたをしたからね」と言っていた。だから台湾の人達は優しいんだ、と思っていたのだが、最近この禅寺の和尚さんの自伝を読んでいたら、戦時中の記述に「訳もなく台湾人が日本軍に殺されていることがよくあった」と書いてあった。「日本人なんか!」とものすごい敵対心を持って日本人を攻撃してくる人は身内の人を殺された経験があってのことかもしれない。その当時の日本軍のやりかたで「人を殺さない占領」なんてありえないと思うのだ。そういう歴史を知っているのに日本人の私に日本語で話しかけてきてくれたり、優しくしてくれる人達がこの禅寺には沢山いる。この禅寺の人だけでなく、韓国人とか中国人とか仲良くしてくれている友達がいるが、私はそういう人達に強さを感じる。