〔再アップ〕☆自作パソコンの熱対策 / 裏ワザ -まとめ-【増補・改訂版】
☆自作パソコンの熱対策 / 裏ワザ -まとめ-【増補・改訂版】 いつも寺田屋の龍馬の日記をご覧戴きありがとうございます。 まだまだ残暑と言えない厳しい暑さが続きそうですが、今回は"静音"の二文字を踏まえ た形でのパソコンの熱対策について、まとめさせて戴きました。 パソコンの熱対策には"チリも積もれば..."的なところがあり、もとよりお金を掛ければよいという ものでもなく、丹念に一つ一つの要素(問題)をクリアーしていくことが、最終的に最も良い結果を 生むことにつながります。-現在のメインPCについて- さて、小生のメインPC、ロートルらしく製作費も約2万円で少々レア?な構成ですが、とにかく静かなマシンで、実際のマシン温度が、CPUが室温プラス15~18℃、マザーが室温プラス6~9℃と、真夏には西日が当たると40℃近くなる我が家でも、今でも全然現役で"一人涼しい顔"で活躍してくれています。 また、このメインPCの冷却ファンは、電源内部(8cm)とCPUクーラー(6cm)の2箇所のみで、夏場でも2000~2200回転と非常に静かなので、たまにアイドル状態のまま電源を切り忘れたりすることもあります...(笑 CPU AMD Mobile Athlon XP2000+ (AthlonXP2200+ 相当で常用/1.5V,FSB144MHz/スーパーπ419万桁 5分) CPUクーラー AOPEN CPU Cooler AC610D AthronXP2000+対応 (ファンをセラダイナFD1260-A3033Eに交換/2000rpmで常用) グラボ CREATIVE CT6970 AGPx4(ファンレス化) マザー FIC AD11(チップセット/ファンレス化) メモリ SAMSUNG PC2100 DDR-SDRAM CL2.5 ECC 256MB ×2 (毎秒約800MBで常用/FSB144MHzx2) HDD MAXTOR DiamondMax Plus 9 6Y080P0 80GB ×2 ドライブ BUFFALO DVDマルチドライブ DVM-RXH16FB/B(DVR-110D) TEAC CD-R/RWドライブ CD-W552E 電 源 オウルテック ATX電源 SS-300FS ケース PROTON ATXマザー対応ミドルタワーケース その他 USB2・LAN・TVキャプチャーなど*メインマシンの稼動スペック(室温37℃時)-CPUセクションの発熱量を抑える- 1.CPUクーラーについては、スタンダードなシンプル形状のアルミ製で十分よく冷えます。 軽量タイプの少し大きめのものに熱伝導率が高いものが多く、小さくてもよく冷えて比較的 安価なものにカノープス製の Firebird R5 や R7S(Socket478用)などがありますが、 ここでは小生お薦めの「カノープス Firebird R5(写真右/サブ機で使用)」 を例にご説明致します。 Firebird R5のファンは、元々風切り音が非常に小さく、 軸受けに流体軸受けを採用しているため、 4500回転 の定格作動でも同クラスのクーラーの中で静かな部類に 入りますが、それをさらに 57Ω ~100Ωの抵抗を用いて 2200 ~ 3600回転に落とすことで、Firebird R5 を "ファンに耳を近づけても風切り音がほとんど聴こえない” 静音PCに最適なモバイルCPU仕様のクーラーへと変貌 させることができます。 小生は、"3pinコネクター中央の赤のリード線"を中間で切断して"抵抗を直列に入れる"方法 (写真下)でファン回転数のコントロールを行なっており、Firebird R5の場合、62Ω/1Wでは 3200回転、100Ω/1Wで2400回転に落とすことができます。 なお、左の写真では"抵抗とリード線を直接ハンダ付け"し、熱圧縮チューブで絶縁処理をしていますが.3pinコネクターとマザーボード間に挿入するタイプの抵抗入り中間アダプタがネットショップなどで安価に入手できますので、ハンダ付けが苦手な方は、そちらをお使いになるようお薦めします。*"Firebird R5"に用いられているファンは、 回転数検出パルスが "3パルス/1回転" 仕様のため、2パルス/1回転仕様のマザー ボードでは1.5倍の回転数が検出されるので FIC AD11の場合、検出された回転数を1.5 で割った数値が実際の回転数になります。 *CPUファンの種類によっては、上記改造を 行なった場合、起動電圧の低下によりファン が回らなく なることがありますので、ご注意 下さい。 2.シリコングリスは安価なもので十分ですが、少し固めのものが良いようです。 3.スタンダードなミドルタワーケースには、バックパネル側に 8~12センチ径の排気ファン用の 取付口がありますが、この排気口を逆にCPUクーラーの吸気口として使うことで CPU温度が 3~7℃下がることが期待できます。 これは、CPUの冷却において"吸気と排気を完全に分離" することにより、"CPUクーラーによって暖められた排気を再びCPUクーラーが吸気する"という "ターボチャージャー状態"に至ることを防ぐ効果があるからですが、小生は カップ麺の容器の 側面に CPUファンの形に合わせてカッターナイフで切込みを入れ、念のため帯電防止テープ などで処理をしてからパッシブダクトとして使っておりますが(写真下)、これだけで最高7℃も 下がったことがあります。 *ダクトには軽くて断熱性の高い素材を使い、CPUファンとダクトが接する部分に隙間 ができないようにすることがポイント。下の写真のカップめんの容器は、帯電防止処理を しなくても問題ありませんでした。 4.前記 3のダクトの効果をさらにアップさせるため、電源の排気口と前記吸気口との間に厚紙等 で作った"(PCケースの)サイドから見て横V字形(>形)"の仕切り版を入れます。 これにより CPU温度がさらに2~4℃下がることが期待できます。 5.CPUについては、モバイルか省エネ低電圧タイプがお薦めですが、例えばマザーによって は、定格1.75VのデスクトップタイプのCPUを省エネ低電圧タイプ並みの1.5Vでドライブする ことで発熱量を抑える効果が期待できます。 ちなみに小生のところの作業用マシンでは、 定格1.75VのAthlonXP1800+(パロミノ)を1.5Vでドライブすることにより、省エネ低電圧タイプ のCPUと同程度の“発熱量を抑える効果”を得ています。〔*マザーが FIC AZ11EA 、CPUが AthlonXP1800+(パロミノ)の場合で 6~7℃下がりました。〕-ハードディスクドライブの発熱量を抑える- CPUの次に熱コントロールが難しいのがHDDで、専用クーラーなども出ていて皆さんけっこう 苦労されてる感がありますが、HFT( Hitachi Feature Tool )というHDD設定ツールを使って "静音(省エネ)モード"に設定することや、HDD取付けの際に上下を反対(裏表)にし、風通し を良くすることで、PCケースの形状などの環境の違いによる差はあるものの、ケース内部も 共に 5~7℃程度下がることが期待できます(詳しくは、-その3-をご覧下さい)。-ケース内部(マザーボード)の発熱を防ぐ- 1.PCケース上部に横向きに電源を取り付けるタイプのミドルタワーケースで、取り付けた際に 吸気口が下方向へ向かない電源の場合、下方向のカバーに厚さ3~5ミリの断熱材を貼り付け 電源の熱がケース内部に出ないようにします。これにより、マザー温度が2~3℃下がることが あります。 2.前面に排気口があるPCケースでは、排気用ファンを取付けることによりケース内の温度及び HDDの温度も共に1~3℃下がることが期待できます。 3.上部に電源を取り付けるタイプのミドルタワーケースで、取り付けた際に吸気口が下方向へ向 かない電源の場合、下側のカバーに厚さ3~5ミリの断熱材を貼り付け、電源の熱をケース内 へ出さないようにします。これにより、マザー温度が2~3℃下がることがあります。 以上、良く考えるといずれも理に適った当たり前のことですが、まだまだ厳しい暑さが続きそうですので、更めて小生の体験に基づき意外にも効果があった熱対策についてまとめさせて戴きました。