秋の桜
桜の木の紅葉が好きです。春に咲く、麗らかな満開の花とは対照的に秋の風にたよりなさげに揺れる黄昏れた葉。黄色だったり橙だったり朱だったり、同じ枝でも色とりどりの葉・・・。完璧な形よりも虫食いの穴が似合う、いぶし銀のような美しさは華やかさだけではなく、桜にだって人知れず苦労があるような意外な一面を垣間見せてくれるのです。 近所の一角に立つ桜の木。屋根と電線の間に、何とか立ち位置を確保した孤独な木ですが春の花も、秋の黄昏れた紅葉も桜の名所にあるものより美しいのです。出勤の時も、遊びに出かける時も、買い物に出る時も必ずコイツの前を通って出かけます。秋の紅葉と言えば、もみじなんでしょうが私は桜がけっこう好きだったりします。和紙に描いた禅画のような素朴さが好きです。今年はいつもより、紅が鮮やかな気がします。箕面のモミジたちも、今年はいつもより紅く染まるのでしょうか。週末に、確かめに行こうと思います。 .