ベートヴェンが聴力を失い、肝臓や腎臓の病に苦しんで56歳で死んだことはよくしられている。その原因が鉛中毒が原因であった可能性があるという研究結果が発表された。CNNが報じている。ベートーヴェン(1770-1827)は生前、自分の病気について医学的な研究を望んていたらしい。その願いを叶えるかのように(死後200年も経っているが)、国際チームがベートヴェンの二束の遺髪を分析したところ、現在ならば即入院という量の鉛が検出した。さらにヒ素や水銀も検出された。
ベートーヴェンがこれらの物質を中毒になるほど何から摂取したのかは明確にしないが、数千年前からワインの甘味料・保存料として酢酸鉛が加えられていて、またグラスの透明度をあげるために鉛ガラスが使用されていたので、ワイン好きだったベートーヴェンは数十年の間に体内に蓄積された可能性があるという。
・・・それにしてもである。当時の人たちの中にベートヴェン以外の症例は残っていないのだろうか? ベートーヴェンが自らの意思で髪の毛を遺していたというのが、現在の研究につながっていることはあるにしろ。死に際して遺髪を親しい人に贈るというのは、当時の一般的な習慣だったともいう。もし、ほかにも遺髪が存在するなら、ベートーヴェンの遺髪分析を例外的な研究にせずにすむのではなかろうか。著名人については一般受けはするだろうが、どうせなら時代の病跡まで研究がすすめられることを私は期待する。
CNN「ベートーヴェンは鉛中毒だったか」