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テーマ:洋楽(3356)
カテゴリ:ビートルズ
作者はジョン。B面ながら全米チャートでは12位を記録。 名曲には違いないが甘ったるさも感じられるA面より「こっちの方がいい」と判断した人も少なからずいたのかもしれない。 オリジナル・アルバムには収録されず、当時はアメリカ仕様の編集盤『Hey Jude』に入れられていた。 現在では『Past Masters Vol.2』や、いわゆる"青盤"などで手軽に聴ける。 曲が書かれたのは例のインド旅行中だったそうで、帰国後ホワイト・アルバムのセッションを通して断続的に録音されている。 元々ジョンは、ホワイト・アルバムに収録された「Revolution 1」ヴァージョンの方をシングル発売しようと思っていたらしい。だが、メンバー達の反対にあったため、よりハードにアップテンポにしたバージョンを録音してリリースすることとなった。この選択は正解だったと思う。 しょっぱなから雷のごとく鳴り響くファズ・ギター(あるいはオーバードライヴ)にまず圧倒される。 これを弾いているのはジョンだ。 時は1968年。クリームやジミヘンはいたけど、Led Zeppelinはまだデビューしていなかった。"ハードロック"なる音楽概念がまだ存在していなかった時代である。 当時、このラフ&ノイジーなサウンドにぶっとんだ人も多かったのでは? ディストーションとは似て非なる濁った音色がたまらんです。 続けてリンゴが「ドン」と重々しい一発をかます。さらに続く「ア~~~!」というジョンのクレイジーなシャウトにもゾクゾクさせられる。 曲はこのヘヴィなトーンを軸に、シンプルかつ豪快につき進んでいく。 演奏全体にひとつのウネリがあり、他の三人を強力にドライヴさせていくジョンの存在感がすごい。 ブレイク部分でのハンド・クラッピングまでもがいちいちキマっている。 ビートルズはつくづくハードなロック・バンドだ。 ここでのジョンのヴォーカルはダブル・トラック。 ラウドな音に囲まれながら、熱くなりすぎない歌唱がカッコいい。 元曲(Revolution 1)にあった「シュビドゥワ」というコーラスを削ったのもタイトな印象につながっている。 ジョンは短いギターソロの後ろで、エロさのない喘ぎ声を出しています^^ なめらかにローリングするピアノを聴かせるのは、名セッション・プレイヤー、ニッキー・ホプキンズ。 ビリー・プレストン同様、ビートルズとストーンズの両方のセッションに参加した経歴を持つ、数少ないミュージシャンのひとりだ。 繊細で流麗なタッチの演奏を特徴とするこの人だが、ここでは曲調に合わせてかいくぶんワイルドなプレイを聴かせている。それでも音色に気品と優しさが感じられるのはさすが。 ちなみにニッキーは、のちのジョンの名曲「Jealous Guy」でもピアノを弾いている。 「革命」をキーワードとした歌詞は、当時ゾッコンだったオノ・ヨーコの影響と"反抗の季節"だったこの時代に後押しされたものだろう。 もっとも、単純に拳を振り上げて「革命だ革命だ!」などとわめき立てるものではなく、そうしたムーヴメントを斜めにとらえているようなシニカルさがジョンらしい。 音楽で世の中が変わるはずもないこと、"革命"なるものが起こった所で結局は何も変わらないことをジョンは自覚していたのだろうか。 そのわりには、のちに本腰を入れた平和運動が"理想主義"の域を出てなかったりと、この人はホントに複雑だ。 結局いちばん革新的だったのは、ラウドな響きが現在でも充分通用する音楽そのものだった、というのが何とも皮肉ですな。 なおこの曲は、スタジオ・ライヴ形式によるビデオ・クリップも作られている。 そこでの演奏はレコードとは若干の違いも見られ、冒頭のシャウトをポールが担当したり、「Revolution 1」のようなシュビドゥバ・コーラスが加えられたりもしている。 曲中で聴こえるハウリング・ノイズが生々しさとガレージっぽさを強調してましたなぁ。 つーコトで「Revolution」を聴くにはここをクリック! 先述のビデオ・クリップの映像と合わせたものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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