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カテゴリ:memories
何日かぶりに、日本の新聞をネットで読んだ。
「紀宮さま、ご結婚」・・・そうだった。 私がまだ東京の大学に通っている頃だったと思う。 当時皇太子であった天皇陛下と紀宮さまが、国体か何かの 視察で、私の実家のある小さな地方都市にいらっしゃった ことがある。 その時、祖父はおふたりの案内役を務めた。 おふたりと、ちょっと緊張気味ながらも笑顔で会場を後に する祖父の写真。 大きく引き伸ばされ、額に入れられて実家に飾ってあった。 勲何等かは忘れてしまったが、授与されることが決まり、 「式典が終わるまで、何事もないように注意してください。」と 周りから言われていた祖父は、運転中(マニュアル車)に 踏み切りで立ち往生し、真っ青になったこともある。 祖父母と同年代の方々の多くがそうであるように、彼らにとって 「皇室」は特別な存在であった。 このふたつの出来事は、祖父にとって宝物のような思い出で あったのだろう。 帰省する度、何度も同じ話を聞かされた。 祖母はテレビで皇室のニュースを見るたびに、自分の家族の ことのように一喜一憂していた。 紀宮さまは視察にお出掛けになる際、事前に視察先に関する 膨大な資料を読んで準備なさっていたそうだ。 そして、お調べになったことや、その日会う予定の人々の 名前などを書き記した独自のノートも作成なさっていたという。 そのノートのどこかに祖父の名前もあるのだろうか。 おじいちゃん、おばあちゃん。 紀宮さまがご結婚され、「黒田清子さん」になられました。 孫娘の結婚式を見守るように、ふたりとも目を細めて見ていたかも しれない。 空の上で、祖父は自慢話を始め、「何度も聞きました。」と祖母に 言われていることだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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