痛快なる完勝
今日の試合は,ある意味カープが本当に好調なのかという試金石だと思って見ていた。何といっても相手先発が天敵中の天敵である能見篤史。そしてカープの先発は安定度は抜群とはいえどもタイガース戦には球数を投げさせられて苦戦しているクリス・ジョンソン。となると,論点は限られてくる。先に点が取れるかどうか。それを守れるかどうか。結果として,今日の試合はそれが全部できた。従って全く文句はない。まさしく完勝である。まあ,その割にはいろんなことがありすぎたが,結果よければすべてよしである。試合の内容については,もう繰り返すことはしない。特に田中広輔と丸の活躍が光ったとだけいっておこう。先制中押しだめ押し,美しいかたちで勝つことができた。そして新井貴浩である。4番に座りながら本塁打だけなかったが,まさに因縁の地である甲子園で打ったホームラン。これがカープの4番打者として今季初めて打ったホームランである。昨日の丸のホームランがそもそもカープのクリーンアップの打者が初めて打ったホームランだから4番打者もへったくれもないのだが,それだけカープというチームが組織として機能し始めたという証拠だろう。それだけに新井貴浩が試合途中で離脱して大阪市内の病院に行ったということは非常に不安なのだが,今のカープの勢いであれば,きっと代役の4番打者が現るだろう。なに,ホームランを打たなくていい,新井貴浩がこなしたように「つなぎの4番で」いいのだ。いや,まだ試合に出ないとは決まったわけではない。診断結果によると「左手中指伸筋けん脱臼」ということで,骨折という最悪の事態だけは免れたようだ。責任感の強い新井のことだから試合に出るというに違いない。それでもまあ最悪の事態だけは想定しておかなければならないのであって,ロサリオか松山か,はたまたファームのクリーンアップを占めている外国人の起用があるのか。何でも速報によると独立リーグとの練習試合でシャーホルツがホームランを打ったようなのであって,いきなり北陸から呼び戻して再登録ということもあるやもしれない。もうひとり褒めておかなければならないのは鈴木誠也である。7回に受けた頭部死球にひるむことなく,9回に打ったグランドスラム。いろんな意味で大きな一発である。タイガースの戦意を完全に喪失させ,隙あらば長打があることを敵にも味方にもアピールしたのである。これまでは左投手専用のような使われ方だったが,それからもう一皮剥けそうな気配が見えてきたのである。格段にバッティングの内容が上がってきたような気がする。明日の新井の起用方法との兼ね合いだが,万一の場合は松山をファーストで起用して外野の一角を占めさせてもいいような気がする。とにかく,藤浪晋太郎,能見篤史という難敵を打ち崩して5連勝,カード勝ち越し,最下位脱出となることができた。しかし,その勢いを継続して行くには,明日勝たなければならない。予告先発はメッセンジャー対福井優也。またしても難敵である。前回の甲子園ではメッセンジャーをKOしたものの,あのときのメッセンジャーは明らかに調子が上がっていなかったので,それと同じ構えでかかっていけばせっかく作り上げた流れが止まってしまうおそれさえある。そして前回登板でミソをつけた福井優也。やはり何が起こるかは分からない。やはり今日と同じく,先手必勝である。先に点を取ってしまえば,一気に虎を丸呑みすることだって可能なのである。そして,そこで少しずつ借金を清算して初めて,順位をジャンプアップさせることができるのである。しかし痛快な試合だった。こういうときは,やはりこういう曲で締めるのがよかろう。とにかく明日も何でもいいから勝て。BlogPeopleSIGMA People