貫禄勝ち,と日記には書いておこう。
最終スコアは,7-1である。しかし,それほどの爽快感はない。前田健太対ナーブソン。スワローズファンの方には申し訳ないが,カープファンの欲目で見れば勝って当然でしょという先入観があるからなおさらだ。私はある理由で2-0となった3回からしか音声および映像でチェックできていないのだが,とにかく,初回からひやひやものである。とにかくスワローズに打たれること打たれること。スワローズに7点取られてとんでもないシーソーゲームになっていても,おかしくなかった。それが6回に3連打で喫した1点だけですんだのであるから,今日の前田健太の調子がどうこうというより,よっぽど今のスワローズは調子が上がっていないんだねえと言うのみである。ひとりひとりの選手の個の力は決して悪くない,下手をしたらカープよりもよい部分があるのだが,よほどチームがばらばらなんだろう。しかし,カープだって先月にほとんど同じような状況に陥っていたのだから,もって他山の石とせねばならぬ。結果的に勝負を分けたのは,2回裏の2点目,倉のタイムリーだろう。先制点は確かに廣瀬の犠牲フライであげた。でもチャンスの作り方から見て1点ではまだ風はどちらに吹くか分からない。そこを倉がきっちりタイムリーで繋いだ。こう言う下位打線で作った得点というのはボディブロウのように効くのである。それが3回の丸とエルドレッドの連続ホームランに繋がったというべきだろう。いや,先に2点を取ったということ自体でもうこの試合の主導権をカープが握ってしまったも同然なのである。理屈ではない。両チームの現状の勢いの差というものなのである。勢いと簡単に書いてしまったが,今のカープ,よくいえば誰が出てもぶれない戦いが出来ている。まあこれは現場監督さんの重篤な左右病の結果と言うべきなのであって,本当に左投手といえばバッティングピッチャーレベルの投手でも右打者を並べないと気が済まないようなのであるが,やっぱり菊池,丸,エルドレッド,ロサリオの4人ががっちりと支えているからに他ならないだろう。中軸を打つバッターがそろって好調というのであればそりゃ強い。プリンス君が入って結果が出ずにばたついていても試合の流れに影響しないのである。いや,そういう姿を見ればこそかえって天谷はポジションを渡すまいとして出場機会があれば何倍もハッスルするという好循環さえ生まれていると言うべきである。そんな今だからこそプリンス君は何でもいいから結果出してくれといいたいのだが,それが見えないのがちょっと残念である。まあ,今日みたいな試合はこの程度でいいだろう。カープは勝つべくして勝ったのである。ほんの2ヶ月前,神宮で苦しめられたときには名将小川淳司の眼光鋭くどこからでも打ち破ってやるという怖さを感じたのだが,今日のテレビに映った姿は眉間のしわと目の下のくまがやけに目立っていた。相当苦悩しているのだろう。個々の選手の力量と成績は今のカープの選手と遜色はないのである。事実,前田健太にヒットの雨あられを浴びせ続けたのであるから。しかし,それが全く繋がらない。要するに軸がないのだ。雄平は元々東北高校の時代から投打とも定評が高く,投手として挫折してもオールスターに選出されるほどのすばらしい選手に育ったが,彼が4番というのはいかにも辛かろう。5番が岩村というのも名将小川淳司の苦吟の跡が見えて何とも痛々しい。それに比べてカープの現場監督さんにはエルドレッドという名実ともにセントラルの大砲になった4番がいるわけだから,さぞや名将小川淳司は現場監督さんのことを忌々しく感じているのではないか。自分がカープの監督だったら今頃首位をキープしているわいと。さて,だからといって気を抜いているわけにはいかない,明日の試合を取るか落とすかがひとつの山になるだろう。予告先発がバリントン対八木亮祐。目下絶不調のバリントン,対する相手はまたしてもサウスポーである(ちなみに明後日のスワローズの先発は村中恭兵とのこと。よほどプリンス君を引っ張り出して安全パイを作りたいと見える)。繰り返すようだが,スワローズのバッターは決して当たっていないのではないし,今日だって11安打打ってるのであるから,バリントンが不出来ならばかなりまずいことが起こる可能性だってある。一方の八木の調子は決して悪くない。ひとつ間違えば今日の裏返しの結果となる可能性だってあるのだ。心してかからねばならぬ。ただし,白濱が二軍落ちしたことでバリントンは倉と組む可能性が高い。高いとしか言えないのは今日またしても江村から受けた膝頭への死球の影響が心配されるからだが,倉がバリントンの悪弊をどう修正していくか,興味を持ってみて見ることにする。そして,八木はデータ的に見れば右打者の被打率が.309だから,ここは右打者を並べていく一手だろう。もちろん,エルドレッドやロサリオは厳しくマークされるだろうから,その前後を打つであろう打者,おそらくは今日と同様に梵と廣瀬,そしてプリンス君である。万一バリントンが沈んだ場合にでも,それを凌駕するだけの打棒を期待して見ることとする。さて果たして結果は如何に。BlogPeopleSIGMA People