ある鯉党のたはごと2013最終章前編:「清貧球団」カープの嘘
まずは,カープの平成24年の貸借対照表の数字を掲げることとする。これは,官報に公告されているもので,ほかならぬカープが出した数字であるから,間違いがあろう訳がない。それによると,(以下単位は百万円)資産の部 流動資産 3023 固定資産 2781 繰延資産 134負債の部 流動負債 2304 固定負債 84資本の部 3550(うち当期利益252)これを見て,財務諸表に明るい方なら,カープが盛んに喧伝している「資金力のない球団」であるというのが嘘であることがお分かりになるだろう。流動比率131.2%,固定長期適合率76.5%,自己資本率に至ってはなんと59.8%である。まさにまれに見る超優良企業である。少なくとも金に困っているような数字ではない。そもそも,流動資産,すなわち1年以内に現金化できる資産を30億円も抱えているのだから,金がないどころかジャブジャブあふれているようなものだ。これだけでも,カープが盛んに喧伝している,そして無邪気なカープファンが信じ込んでいる「資金力に劣る」と言うことが当たらない,はっきり言えば嘘であることが証明されるのである。しかし,本来ならもう一押ししたいところである。すなわち,カープという会社収入がどうなっていてそれがどのように支出されているかというところがこの問題の一丁目一番地である。しかし,しょせん中小企業である株式会社広島東洋カープの財務諸表を見る術はない。しかし,それを推認する方法は,少なくとも支出においては,可能なのである。それはなぜか。カープ球団の売上金が公表されているのである。広島市が公表している「広島市民球場協議会」の資料に,こっそり隠されているのである。それによると,平成24年のカープ球団の総売上は10,307,064千円,すなわち100億円企業なのである。このうち当期純利益が252,212千円とのことであるから,総支出は10,054,852千円,すなわち100億円強という結果となるのだ。さて,日本プロ野球選手会資料によると,平成24年度のカープの日本人選手の総年俸は約16億円とのことである。外国人選手については出来高払いの部分があるので見えづらいところがあるのだが,それでも多く見積もって4億円だろう。野村謙二郎の年俸が7000万円,コーチ陣の年俸が約1億7000万円。市民球場の使用料金は約5億円のようなので,ここまで積み上げても約28億円にしかならない。それでは球団のランニングコストは?カープの従業員はたかだか285人である。これに選手の移動経費やらキャンプにかかる経費や選手寮にかかる経費を見積もったとしても,果たして20億円に達するかどうか。そうすると,どう少なく見積もっても,使途不明の経費が毎年50億円以上も支出されていると考えなければ,計算が合わないのだ。要するに,これは松田元一族や大株主であるマツダとの間で体よくぶんどっているとしか考えられない。もちろん,取締役報酬や株式配当と名目は合法的なものとして。50億円もあれば,それに30億円もある内部留保金を取り崩せば,黒田博樹を引き抜いてついでにバリバリのメジャーリーガーを引っ張ってくることなんて,余裕で可能である。前田健太にはそれこそ6億円の年俸を払うことだって出来る。要するにカープという球団はそれをしていないだけだ。プロ野球会社は本来人で持つ会社だ。それはすなわち金がある以上人件費に投資することは本来利益になりこそすれ損失にはならないはずなのだが,松田元一派はそれをしない。けだし,広島東洋カープという株式会社は,松田一族による利益収奪のために存在するブラック企業に他ならない。以上は,カープが公表している決算資料等から導き出した,あくまでもオフィシャルな数字による分析である。オフィシャルな数字からでも,これだけのグレーな実態が明らかになるのである。しかし,その裏に踏み込んでいくと,ますます松田元とその一族による収奪の構造は明らかになるのである。たとえば,カープがグッズや印刷物を発注している会社にカルピオやみづま工房があるが,何のことはない,すべて松田元が役員を務めている会社である。これらの会社を使ってカープ球団の売り上げに寄与させた上に,当該会社自体の利益も取締役報酬もしくは株式配当という名目で収奪することが可能なのである。さらに。カープ球団は何位やら各放送局とつるんで盛んにDVDを作成して売りさばいているところだが,その売り上げの中の何割かをカープ球団にキックバックさせているであろうことは,容易に推測が付くところである。そうでもしなきゃ,あの松田元が簡単に映像を使うことを許可したりしない(表向きは選手のパブリシティ権を楯にすればいいだけのことであるから)。何のことはない。カープにお金を落とすと言うことはそれだけ松田元の懐を潤すだけのシステムができあがっているのである。いわば,カープファンはカルト教団の教祖に一生懸命お布施をしているようなものだ。もはや,カープを語るに当たって「資金力に劣る球団」と美しく語ることは許されない。「金はあるくせに人件費に投資せずに敗れ去る球団」と厳しく指弾しなければならないのである。これだけの数字を見て,なおかつ美しい嘘を信じるようなら,さっさとカープファンなんかやめちまえと言うのが,私の結論である。さらに明日はヒロシマ球界の暗闇に切り込みたい。BlogPeopleSIGMA People