交流戦試練の二十四番勝負その8:ようやく出てきた「粘り」
野村祐輔が先制点を許し,さらにライオンズが今日テコ入れをしてきた捕手の,でも打つ方には目をつぶって起用してきた星孝典にタイムリーを打たれた時点で,負けたと思った。いうまでもない。先制点を取れば強いが先制点を取られれば絶対に勝てない,しかも取られた点の一歩手前までしか反撃できない「百姓一揆」(ドラゴンライト先生曰く)球団である。そこから何かが変わると思う方が間違いだと思ったし,現にカープは野上にするりするりとかわされてとても点になりそうになかったからである。ところが,勝ってしまうのである。確かに今のライオンズは投手に故障者続出で4番が「セコハン外国人の鏡」オーティズなどという一見情けない布陣であるが,ここ数試合の成績だけ見たらカープよりよっぽどよく打っている。投手も昨日アクシデントで牧田が降板したあと,昨年までの一軍実績は皆無に等しい岡本洋介に4イニングゼロ封を食らっているのである。さらに競り合いになればサファテ大石が控えているのである。それでも勝ってしまった。それはなぜかと考えるに,結局ようやく投打に「粘り」が出てきたからに他ならない。だからこそ5回2死無走者から3連打で追いついて,6回裏に大崎雄太朗に2塁打を打たれても片岡星と野村祐輔が連続三振をとって切り抜け,その直後に丸の決勝本塁打,さらに7回裏のピンチも河内今村で切り抜けると,その直後に待ってましたとばかりに,というより首脳陣が一番待ち望んでいたであろうスタビノアのホームラン。まあしかし,途中からこれだけころっと変わってカープのいいところばかりでたもんである。これでは絶対に負けないし,負けているようじゃあまりにも弱すぎるかもしくは敗退行為そのものだ。まあやっぱり,野村祐輔の粘りのピッチングが全てだっただろう。昨日の大竹もそうだが,粘って粘って,点を取られたとしても最少失点で粘っておきさえすれば,さすがに攻撃陣も頑張らざるを得ないという空気になるのだ。これまでのカープには,それがなかった。しかし,まだわずかな芽であるとしかいえないが,その兆しが見え始めたのである。それが出来たことが,今日の試合にとって一番大事なことなのであって,最大の成果なのである。ことに3連敗の試合の攻撃内容は悪いを通り越して噴飯ものだったから,まあさすがに鈍感なカープのバッターも思うところあっただろう。いや一人まだ鈍感力を発揮しているのがいるが。なあ,プリンス君。と,いうわけで,さすがに今日は何も言うことはないのだが,ベイスターズやドラゴンズと丁低レベルなクライマックス圏内争いをして嬉しいのならともかく,そんなのとっとと置き去りにして交流戦で優勝争い,元論交流戦とペン案とレースの優勝争いをしたいのならば,きっちり修正しておかなければならないところがある。それは,安部と菊池の守りの甘さ。ライオンズの先制点は菊池のミス,明らかにタイミングが間に合わないファーストによりによって悪送球をしたのが点になったのである。そして安部。エラーこそ記録されなかったが,7回裏,栗山の明らかな併殺打になるべき打球を安部が秋山のスライディングに逃げて一塁送球をして併殺が取れなかったあのワンプレイである。はっきり言ってみていて情けない。私が見ていたTWELVETVの解説は伊原春樹氏だったが,あまりの守りの甘さに嘆いておられた。軍神大下剛史鬼軍曹ならこうやって怒られるぞと広島弁で怒りの叱咤激励をされておられたのが印象的だった(伊原氏は府中市(旧上下町)出身。カープにこれまで縁はないがきっと地元球団として心の中では心配しているに違いない)。それはさておき,あんなプレイをしていたら,そりゃ軍神大下軍曹でなくても怒りたくなる。菊池の時にもあったが,あの程度のスライディングで逃げるなといいたい。むしろ走ってくる走者に向かって送球しろと(これは伊原氏のご指摘),それでもどこぞのチームのメジャーをお払い箱になったセコハン選手がメジャーかぶれで真似してきたら逆にみぞおちか顔面に膝を落としてやれと思うのだが,どうもカープファンはそういう野球を好まないので,自然と選手も甘くなってそういうタイトロープ上での厳しいせめぎ合いが見られなくなっているのは残念至極である。ま,大恥かくかと思っていた東征の陣はまあ何とかかっこつけて帰ってくることとなった。今度はホームで楽天とファイターズを迎え撃つ。今のこの両チームなら与しやすしと思っていたら大間違いである。特に楽天。ホームでは散々にやられている。昨年の交流戦第一カードとなったホーム楽天戦で辛島航にあわやノーヒットノーランを食らいかけて,終盤は逆にサヨナラのチャンスを潰しまくったら最後は決勝点を先に入れられて負けたという試合があったこと,まさか忘れたとは言わせない。その楽天戦であるが,予想される先発はカープがバリントンと前田健太,そして楽天は則本昂大と永井怜。特にカープは永井を大の苦手にしている上に,今年は永井は絶好調だから,せっかく前田健太を押し立てるのであれば無様な試合にならないようにしないとなるまい。則本はストレートとスライダーで三振をばったばったととりまくる,これまたカープが苦手にしているピッチャーだから,対策を今のうちから練っておかねばなるまい。永井は左打者の被打率が極端に悪いので今日のように左打者を押し立てて臨む手もあるだろうが,則本は逆に右打者の被打率の方が良くないので,その点はよく考えなければなるまい。データ解析力が問われそうな戦いだが,そうなると無理だろうなあ。勝利こそ全て,敗北は死ぞ。BlogPeople(後記)告知を2点。まず1点目。オフ会の場所を一応決めた。詳細はFacebookのページを見ていただきたい(Facebookはちょっととおっしゃる方でも,無料メールのアカウントを取って,いわば捨てメールアドレスを取って,何らかの形で教えていただければ(たとえば@前後を分けて記載してスパム業者に引っかからないようにするとか),案内をさせていただく次第である)。そして2点目。これに賛同される方は,ぜひご署名をいただきたい。