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カテゴリ:言語・文化・コミュニケーション
遥か昔、数10年前のこと、
同じ大学出身の帰国子女の日本人の女の子が、「エマニュエル坊や」の大ファンだった。 「エマニュエル坊や」とは、確か6歳前後のアフリカ系アメリカ人の男の子で、 当時の若い日本人女性の一部で、 「エマニュエル君、可愛い~~!!」と絶大な人気があった。 そのエマニュエル君が日本に来て、何かの催しで記者会見をした。 もちろん、くだんの女の子は、大喜びで見に行った。 不幸なことに、この女の子は米国育ちで、英語がぺらぺらだった。 エマニュエル坊やの英語も、 坊やの英語を訳す通訳の日本語も、 全て理解できた。 記者会見から帰ってきて、 彼女は他の女の子達に聞いた。 「ねぇ・・・・sickって、どんな意味があったっけ?」と。 もちろん、sickという単語に、 「病気」「吐き気がする」「うんざり」「むかつくほど悪趣味の」 「病的に異常=(俗語の)ほとんどビョーキ」などという意味があるのは、百も承知である。 聞くと、 “What do you think about Japanese girls?” (日本の女の子をどう思いますか)という質問に、 エマニュエル坊やは、 “Sick!” と答えたと言うのだ。 彼女は悩んだ。 大好きなエマニュエル坊やが、果たして “I’m sick of them!” (日本の女の子には、もううんざり!) と叫んだのか、 “I’m sick of that kind of questions!” (そんな質問、もうヤダ!)と叫んだのか、 “They are sick!” (ほとんどビョーキ!)と叫んだのか、 果たして別の意味で叫んだのか。 確かに、”sick”には俗語で 「”cool” =(かっこ良い)(いかした)(いけてる)」という意味もあるようだが、 一体どの意味で言ったのか。 悩んでいる彼女に聞いてみた。 「通訳さんは何て訳したの?」 エマニュエル坊やは、ドル箱スターである。 下手に訳すと、「金のなる木」の日本人女性ファンに愛想を尽かされ、 せっかくのプロモーションが逆効果になる。 しかし、通訳さん、さすがプロである。 少しもたじろがず、次のように訳したそうだ。 「う~ん! 僕、もうたまんない~!」 言葉にハート・マークがついていた・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.10.13 16:42:54
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