|
カテゴリ:言語・文化・コミュニケーション
同じ電子メールのアドレスを長い間使っていると、
ポルノ系や出会い系メールが、山のように送られてくるようになる。 その大半は英語のメールである。 件名で仕事の翻訳関連のメールかどうか判断できない場合、 一応さっと本文を見るのだが・・・ ロシア人女性のヌード写真がでかでかと載っていたり、 バイアグラの売り込みメールだったりする。 (私は女性です。バイアグラも女性のヌード写真も要りません・・・) しかし、そこは英<=>日の実務翻訳者の悲しさ、 いつも私はとっさに頭の中で日本語に訳してしまうのだった・・・ たとえば、バイアグラ売り込みの場合、 「ガールフレンドが絶対喜びます!」などという 感動モノ(?)の英文が必ず添えられている・・・ この場合、原文の動詞は他動詞の「please」で、 「ガールフレンドを喜ばせる」という使い方をしている。 この手のメールを延々と数百通さっと斜め読みして、私は心底男性に同情した。 男性は「男性でいる」ために、何と涙ぐましい努力をしているのか・・・と。 私は本当に自分が女性で良かったと思った。 本当にガールフレンドが相手の男性のことを好きなら、 ガールフレンドは気にしないと思うけど。 それに本当に好きじゃないのなら、何やってもそのうち振られるでしょ? それなのに男性は何と無駄な努力をしているのか・・・と。 もしかしたら、ガールフレンドが理由ではなく、 男性としての自尊心が原因なのかもしれないが。 そう言えば、「お医者様の処方箋は要りません!誰にもバレません!」とも書いてある。 こんなので自尊心が保てるなんて・・・ 他には、 「体型、肌の色、年齢など、お客様のお好みに応じてあらゆる女性をご入手いただけます!」 などというのもあった。 確か、この「ご入手いただけます!」という原文は、 「available!」だったっけ・・・ 「お客様のご都合に合わせて、地元の女性もアレンジできます!」というのもあった。 この場合、「地元」という意味で、「local」という単語を使っている。 「ご都合に合わせて(=ご都合の良い時に)」は、 慣用表現の「at your convenience」である。 (でも、この内容、法律違反じゃないのか?) よく使われている単語は、 please, enlarge, last, harden(←ここまで全て動詞), manhood(名詞)などである。 どのポルノ英語も、基本単語を見事に駆使していた。 スペリングのミス(typo)もなし。 文法もなぜか完璧であった。 日本語のポルノ系メールがメチャクチャであるのと対照的であった。 おそらく英語のポルノ系メールは、プロの斡旋業者が、 日本語のポルノ系メールは、素人が個人で送っているのだろう。 (日本語のポルノ系・出会い系メールを書く人たち、もう少し日本語を勉強しましょうね。 特に漢字の変換ミスや「ら抜き言葉」が多すぎる。 今の日本語文法では(10年後は知らないが)、 「見れる」ではなく、「見られる」が、 「食べれる」ではなく、「食べられる」が正しいとされている。 ちゃんと学校で漢字や日本語文法を勉強した? 女性にモテるには、少しは知性も見せないとね。笑) こうしてポルノ系英語の表現を分析した後、 日本語のポルノ系・出会い系メールと共に、 警視庁系のサイトに、全てのポルノ系メールを転送した私であった。 日本の警視庁は、 司法管轄権が違うのか、英語のメールには手も足も出なかったようだが、 日本語のポルノ系・出会い系メールは激減した。 1、2年前には一日 数10通以上来ていた日本語のポルノ系・出会い系メールが、 送信者が逮捕されたのか、最も悪質なものから速攻で消え始めた。 なかには、「男性数人で女性をさらい、クロロフォルムをかがせて悪さしようぜ!」という 男性への「犯罪お誘いメール」もあった。 今ではウチに来る日本語のポルノ系メールは、ほとんどゼロである。 日本の警視庁は優秀である。 フン、ザマヲミ~。笑。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.10.22 01:03:22
[言語・文化・コミュニケーション] カテゴリの最新記事
|