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カテゴリ:言語・文化・コミュニケーション
海は「生命の源」 美しくて神秘的で、 そしてちょっと怖い。 昔、私はあるビーチで土用波に巻き込まれたが、九死に一生を得た。 土用波は、砂がどんどん沖に向けて流れていく。 最初は浅瀬に立っていた。 ふと気がつくと、最初は足首までだった海水が、いつのまにか胸のところまで来ていた。 ぐいぐい沖へ引き込まれていく。 あの時どんなに頑張っても、足元の砂が外海に向けて流れ、 どんどん身体が沖に運ばれていった。 流砂に巻き込まれたのだ。 自然の力は本当に凄いと思った。 海、地球、宇宙。 自分よりも遥かに大きな、とてもかなわない力があるのだと思った。 怖かった。 頭で怖いと思うのではなく、本当に身体の全細胞が恐怖に震えあがった。 命に固執する本能だと思った。 絶対に死ぬものか・・・と思った。 「助けて~!」 一生懸命、砂浜にいる人に必死で手を振った。 「おっ!沖で手を振っている!」 砂浜にいた人たちが、手を振り返してくれたっけ・・・・ 今では笑い話だが、 沖にどんどん流されていたあの瞬間は、 笑うに笑えなかった・・・・ 死にかけた時に、 今までの自分の過去が走馬灯のように思い浮かんだという人もいるが、 私の場合は、「土用波で死亡!」と書かれた翌日の新聞記事が頭に浮かんだ。 必死で砂浜の人たちに手を振り続けた。 もう海水は首筋のところまで来ている。 波が大きく高くなって、頭の上から降り注ぐ。 その時やっと砂浜にいる人が、私が沖に流されているのだと気づき、 浮き輪を持って、数人がかりで沖から引き戻してくれた。 翌日新聞を見たら、そのビーチの土用波で5人死んでいた。 あの恐怖は忘れない。 自然への畏怖。 この自然から、海から、地球から、宇宙から、 他の生命体と共に生まれてきた人間の私の身体。 大自然の前で、とてもちっぽけな自分。 海は「生命の源」 美しくて神秘的で、 そしてちょっと怖い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.08.20 19:41:03
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