|
カテゴリ:言語・文化・コミュニケーション
私は南国の高知市出身である。
小さな頃、積もった雪など実際に見たことがなかった。 郡部はともかく、市内では、雪は降っても、毎冬1回か2回。 しかもちらちら細雪で、すぐ降りやんでしまう。 高校時代も、雪がちらつくと、 「おおっ!雪!?」「雪!?」「雪だ!!」と、 みな一斉に窓の外を見て、授業にならなかった。 すぐに降りやむし、先生も雪に見とれているので、特に問題はなかった。 昔、オーストリアで生まれて初めてスキーをした時、 私と同じように初めてスキーをするアメリカ人が何人かいた。 私と同じように初めてドイツ語を勉強していた。 慣れないスキー靴を履いて、おたおたしている私たち。 そこを斜面の上から、 5歳前後の地元オーストリアの子が滑り降りてくる。 ドイツ語で、 「ゲイ・ヴェェェェ~ック!(=どいてぇぇぇぇ~!)と言いながら、 私達の横を通りぬけて、颯爽と滑降していくのだ。 こちらのドイツ語レベルは全員、初歩の初歩だったが、 「ゲイ・ヴェック(Geh weg)」を英語に直訳すると「Go away(ゴウ・アウェイ)」で、 自分たちが小さな子供に「どけ~!」と言われているということだけは、 即座に『状況で』完全に理解した。何せ凄い勢いで突っ込んで来るのだ。 もちろん全員、一回で覚えた。 あの「ゲイ・ヴェック」という表現。 しかし・・・ 悲しくも、あのわずか5歳の子の方が、当時20歳前後の私達よりも、 スキーもドイツ語もできたのだった・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.08.07 06:03:56
[言語・文化・コミュニケーション] カテゴリの最新記事
|