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カテゴリ:言語・文化・コミュニケーション
数年前このブログで書いた「インターネットの夢」が実現しつつある。全世界の人がパソコンさえあれば、インターネットにアクセスさえできれば、無料で教育を受けられる日が来たのだ。
無料オンライン大学/大学院クラス: ここ数年の間にCoursera(コーセラ)やEDXなど、無料で主に米国系大学/大学院のクラスをインターネット受講できるオンライン・システム(通称:MOOCs)が登場し、現在世界各地からどんどん参加大学や提供講座が増えている。米国系の大学は、どのクラスも、英語のビデオ講義と無料で読めるオンライン英語テキスト付き。(2013年から東大もコーセラに参加)。 英語ネイティブの米国人教授が通常速度の英語で行うビデオ授業を即座に理解できる人には、特にお勧め。即座に英語を理解できない人も、根性と時間があれば、教授が話す英語がそのまま字幕(CC:クローズド・キャプション)で表示されるように設定できるので、コースを完遂できるはず(ただし即座にアメリカ英語を理解できなければ、かなり時間がかかるかも)。 コーセラの2コースを見てみたが、2人の教授とも標準的なアメリカ英語で、方言や他言語の訛りがなく、本当に聞きやすかった。 コーセラでは、各大学が競ってコースを出していることもあり、生徒がついてくるように、面白おかしくしたりわかりやすくしたりするなどして、かなり工夫している。「恐竜の落し物(=糞)」や「犬の繁殖学」なんていうクラスもある。 Think Againというコース(世界各地から現在12万人以上が受講)では、何と昔の英国コメディ番組「モンティ・パイソン」のビデオを取り上げて、「(討議や議論における)argument(主張)とは何か」を解説していた。 1週目のビデオを見たが、かなり面白かった。このクラスのビデオからYouTubeのモンティパイソンのビデオにジャンプできるようになっていた。 コーセラは、もともと米国有名大スタンフォード大から端を発した無料オンライン学習システムで、イェール大やプリンストン大など他の有名大も参加し、金融MBAで超有名なペンシルバニア大ウォートン・スクールも、MBAレベルのクラスを出すそうだ。日本からは東大がコーセラに参加。 EDXはハーバード大やMIT系で、日本からは京大が参加している。 米国文化だろうか、日本と違って、基本的にどのアメリカ人の教授も皆必死で授業を面白くして参加者を引きつけようとするので、米国系大学のコースは英語さえできれば、コーセラに限らず、かなり楽しめるクラスが揃っているはず。 私はEDXで「西洋音楽史」(北京大学による中国語での講座)と「お料理と科学」(ハーバード大の英語での講座)を取ってみた。西洋音楽が好きな人で中国語を勉強中の人や、お料理と英語が好きで科学に抵抗がない人は受けてみられると面白いかも。 コーセラでは上記のThink Againやウォートンの金融系の講座(英語で講義)を取ってみた。 ハーバード大など有名大の授業を世界の一般市民が自由に無料で受講できる時代になった。たとえ、正規のハーバード大の学生が受ける授業とは、位置づけや内容が違うとしても、これはテクノロジーと社会における素晴らしい進歩だと思う。 よろしければ、皆様も是非どうぞ。 ---------------------------------------- ちなみに、コーセラで無料で獲得できるのは「Statement of Accomplishment」(修了書)で、有料の「Signature Track」にすると、「Verified Certificate」(修了証明書)がもらえるようです。このVerified Certificateという公式な修了証書は、他の教育機関や会社などに正式な修了証書として提示できるとのこと。 ただし、これは従来の大学と共有できる単位(卒業単位として使える交換単位など)ではなさそうです。 私は大学の単位や修了証書が必要なのではなく、単に知識を身につけたいだけなので、証書や単位に関してはあまり詳しく見ていません。お手数ですが、修了証書や単位については、ご自分で確認してくださいませ。 コーセラ(日本語版Wikiの説明) コーセラ・ホームページ(英語) EDX:コース(英語) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.10.05 14:12:31
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