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カテゴリ:言語・文化・コミュニケーション
四季はよく人生に例えられる。
命が芽生える春。桜ピンクの未来。 命が躍動する夏。真紅に燃え盛る。 秋、忍び寄る老い。深みを帯びた茶。 冬、静寂の死の世界。真っ白な雪と氷の世界。 私は美しくて純真無垢な雪景色が好きで、1枚PCの背景画像に入れていた。 どこまでも雪原が広がり、雪に覆われた白樺がところどころに散在する。 澄み渡る青空で、寒さがヒシヒシと伝わってくる。 キーンと身が引き締まるような雪景色だった。 母に聞いてみた。 「綺麗でしょ?」 母の返事は・・・ 「さみしいから、いや」だった。 命のかけらもない雪景色。 冷たい氷の世界。 母の年代は晩秋である。 命が消える冬は、既にすぐそこまで来ている。 母の友人も1人1人消えていく。 木々が枯れ、命が消え、無機質の冷たい雪や氷に覆われている景色は、 母には美しいというより、寂しかったのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.02.07 23:05:18
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