自分の事を認識してもらえないおすすめミステリー
こんにちは!ラスカルスズカです。今日、紹介する本は、辻堂ゆめさんの 『 いなくなった私へ 』いなくなった私へ (宝島社文庫) [ 辻堂ゆめ ]です。こちらの作品は、『 このミステリーがすごい! 』大賞の優秀賞を受賞しています。こちらの物語は、主人公の超有名歌手の上条梨乃は、ある時、目が覚めるとゴミ捨て場に寝ていて、それまでの記憶がない。待ちゆく人は自分が上条梨乃だという事を認識できず、困惑していると、自分が自殺したというニュースを目にする。というものです。まず、自分が自殺したらしいのにここにいる自分は誰なのか?自分は死んでいて幽霊なのか?生きているけど周りの人たちが気付かないのか?自殺したとしたらその理由は?と、謎が沢山詰め込まれています。その中で自分の事を認識してくれる人物が現れるので、生きていくことが出来るようになります。芸能事務所と大学生のバンドサークルの活動が主な生活空間なので、青春恋愛ものとしても読めます。この本では、作中作である別の物語も途中に挟まれるように収録されていて、その作中作と本編がどのように絡むのかも気になります。私はバンド経験があるので、ステージでの演奏シーンでは、情景が凄く良く分かりました。491ページもあり、文庫本で、凄い厚みのある本ですが、読み始めると先が気になり読み進める手が止まらなくなります。文体は読みやすく、登場人物は少なく、キャラクターも分かりやすいので誰のセリフ?というような迷子にならずに読めました。