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りらの徒然日記

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2006年09月06日
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 えらく季節外れな話題だけど、今日歩いているときにふっと思い出したので、書いておこうと思う。

 小さい頃、私は蓬(よもぎ)のことを「もちぐさ」と呼んでいた。
 あの「くさもち」に使う草だから、という理由である。
 もちろん、こんな呼び方を私が1人で勝手に考え出すわけもなく、多分、母か祖母がそう読んでいたのだと思う。
 その頃の私にとって「蓬」という呼び方は難しすぎて、なかなか定着せず、結構大きくなるまで「もちぐさ」の方が自然だった。

 でも、そこはまだ幼い私。
 よく「もちぐさ」と「くさもち」がごっちゃになっていた。
 母に、蓬を指して「あれ、くさもちだっけ?」と聞いて、笑われたこともあった。

 こんなエピソードからも分かるかも知れないけど、その頃のわが家では、春になるとよく草餅を作っていた。
 さすがに臼と杵はなかったから、当時流行りだしていた電動の餅つき器だったけど。
 でも、蓬はその辺に生えているのを、母や私や親戚の者で摘んでくるのだ。
 当時は、まだ、家の周り中に蓬が生えていて、学校に上がる前の私でも、蓬摘みに苦労するということはなかった。

 そのみんなで摘んできた蓬を、洗って、湯がいて、刻んで(だったと思うのだが)、つきたての餅に混ぜると、餅はあっという間に綺麗な草色に染まる。
 それはもう、本当に鮮やかな色で、30年近く経った今でも、それははっきり覚えている。
 私はせいぜい、ちぎって丸めることくらいしか手伝っていなかったと思うのだが、それでも「私が作った草餅!」と得意になっていたような気がする。
 そんなこともあって、草餅は小さい頃から好きだったし、今でも大好きだ。

 今はどうなんだろう?
 草餅が作れるほど「もちぐさ」が生えている場所なんて、都会にあるのかしら?
 そして、今の子は「もちぐさ」(蓬)を知っているのかしら?

 そういえば、実家には10数年前、ひょんなことから、本物の臼と杵が入り、それからは、毎年餅つきをしている。
 でも、やる時期が決まって年末なので、臼と杵でついたつきたての餅で草餅を作った、という経験は、残念ながらまだない。
 実家の周りなら、何とか「もちぐさ」もありそうだし、一度春先にやってみたいなぁ、なんてことを思ったりしたのだった。





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最終更新日  2006年09月06日 16時55分47秒
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