ベルリン・フィル 12人のチェリストたち
なんだか先週からKitaraづいている私。 今回のこのコンサートは、昨年に続き札幌に来るのは2度目なのだが、今年は奈良と札幌しか来ないレアな演奏会である。去年はバイオリンを習ってる親友Kが聴きに行き、そのすばらしさに興奮した面持ちで感想を語っていたのを覚えている。彼女は思わずCDも購入し、メンバーにサインまでしてもらったのだが、給料日前じゃなくてお金がお財布に入っていたら、私も同じことをしたと思う。今回も行くつもりだった親友Kは、退院後の忙しさやなんやらで残念ながら購入チャンスを逃したらしい。 月末にミュージカルの観劇予定も入ってるし、経済的にそんな余裕がないので興味はあったけど行くつもりもなかった。ところが...。 今朝、給湯室で自分のお茶をいれていたら、前にオペラで御一緒した他部署のKさん(クラシック通)が私のきゅうすを使ってドリップコーヒーをいれていた。その時に「最近、何かいい演奏会行かれました?」と何気なく喋ったら「ririさん、今夜暇?良かったらベルリン・フィルの12人のやつに行かない?私会社経由の招待券もらってたんだけど、仕事入っちゃって無理なのよ。当日行ける人って中々いないし」と言われたのである!! きゃ~~~~><!!! ももももちろん行かせて頂きますっ!! ということで棚ボタ式に8,000円の席で聴いてきたのだが(ホント、うちの会社に転職して良かったかも...)、平日だというのに会場は90%近くの入り。にぎわいがまるで週末のようで驚いた。さすがベルリン・フィルの精鋭達が集うだけあるなー。なんといっても、オーケストラの心臓部であるチェリスト全員が来るのである。会場で、ベルばらファンでオフで何度かお会いしたGさんと偶然会ったので少しお話する。 開演し、前半部のクラシカルなナンバーが始まった。 豊かな音色は緩急自在、音の厚みがすばらしく、一曲目で一気に引き込まれる。一人で弾いても十二分にすばらしいソリストが12人!!なんて贅沢なんだろう。その内、い~い気持ちになってきて途中うつらうつらしながら、2年前に訪れたベルリン・フィルハーモニーのビジターツアーを思い出していた。かの街を思い出すことは、そのまま朴さんにつながって、そういえばチェロをいつかやりたいって言ってたよなぁ....等と考えながら前半部は終了。 どちらかというと、映画音楽やポピュラーミュージックを扱う後半部の方が、このコンサートの真骨頂のように思う。チェロだけで演奏するためにメンバーが編曲もしているのだが、そのアレンジがまたすばらしいのである><!クラシックの素養に裏打ちされつつ、王道からちょっと外れた音楽を余裕で演奏しているのだが、その音はとにかく「センスがいい」の一言。 ちょっと例えがおかしいかもしれないが、この感じは...なんというのだろうか、一流の食材を使ってどんな最高級の料理でも作れる道場六三郎が、あえて「ナポリタン」とか「コロッケ」をさっくり作ってみた、というかそんな感じ。確固たる基礎に基づいた高度な技を駆使し、メンバーは実に楽し気に演奏していた。普段やってるものと違うから、またいいんだろうな。 「粋」とか「洒脱」とか、そんな言葉がぴったりくる。 小学生以下の子供は入場禁止だが、その理由もなんとなく判るような気がする。「贅沢な大人の道楽」だからだ。 大人っぽさの理由は、不協和音を美しく組み合わせたアレンジが多かったかもしれないが、私は単純なコードよりはこういう音の方が好きなので、とても印象に残った。 いつまでも拍手が鳴り止まない中、アンコールは全然タイプの違う二曲。 口笛付き!の「ピンクパンサー」と、夢のようにはかない「荒城の月」である。く~~!憎いぜこの選曲。 ああ、ホントにいい時間を過ごさせてもらった。世界の一流というのは、ホントに凄いものだ。札幌にいるとやっぱりこういう面でいいよなぁ...。8,000円を自腹で払っても、これは十分に価値があるコンサートだとしみじみした。 来年また来てくれたら是非行きたいなぁ。 その時は隣にぜひとも彼がいればいいのだが...(^^;)...。