『ハーモニクス』を学ぶ
エニアグラムでは、「人の性格タイプは9つに分かれる」という理論が展開されますが、自分がどのタイプか、ということを探る中で、いろいろな手法があります。その中に『三つ組み』というものがあります。9つの性格タイプを、1つの視点から3通りの特徴をあぶり出し、3つのグループにくくり直して分類するもの。代表的なものに『センター』と言う分類法があります。とっさにストレスを感じる事象に見舞われたとき、瞬間的に身体のどの部分からエネルギーが発出するか、それが『センター』の考え方。『本能センター』は『ガッツセンター』とも言い、腹、あるいは身体全体からエネルギーが出るグループ。タイプ1、8、9が該当します。『感情センター』は『ハートセンター』とも言い、胸、あるいは上半身からエネルギーが出るグループ。タイプ2、3、4が該当します。『思考センター』は『ヘッドセンター』とも言い、頭からエネルギーが出るグループ。タイプ5、6、7が該当します。僕はタイプ3なので、『ハートセンター』に属しているわけですが、ハートセンターの特徴を知れば知るほど、自分の内面の傾向がそのまんま当てはまるので、びっくりします。先日、タイプ誤認の話を書きましたが、こうやって『三つ組み』にくくり直すことで、むしろ自分自身のタイプ誤認を認識しやすいメリットもあります。で、『三つ組み』には、このほかにもいろんな分類法がありまして、以下に記す『ハーモニクス』もその1つ。これは、エニアグラムの通常のワークショップではカリキュラムとしては存在せず、別のオプションコースでたまーに扱われます。で、今日のワークショップではその『ハーモニクス』がテーマということで参加してきました。ハーモニクスは、ストレスのかかる問題に直面したときに、とっさに表出する対応形式を分類したもので、その対応グループとは、以下の3種類。1)肯定的反応(タイプ2、7、9) 肯定的な側面に焦点を合わせて前向きな反応をする。2)解決的反応(タイプ1、3、5) 合理的な解決方法をとろうとする。3)反射的反応(タイプ4、6、8) 反射的に感情的・身体的な反応が生じる。『センター』とはまた異なった分類になるのですが、面白いのが、センター内の3つのタイプ1つひとつが、それぞれ『ハーモニクス』のいずれかの型に属するんですね。つまり、タイプ3の僕が属しているハートセンターは、他にタイプ2、4も属しているわけですが、このうちのタイプ2は『ハーモニクス』の『肯定的反応』、タイプ3は『解決的反応』、タイプ4は『反射的反応』となるわけです。なかなか面白い関係性です。で、朝、ワークショップ会場へ向かう中、地下鉄駅で今日のファシリテーションも担当される大先輩ファシリテーターとたまたま一緒になり、道中、話をしながら会場へ向かいました。その中で、面白い話が出てきました。エニアグラム学会の事務局は、今、3名の女性で切り盛りしています。ワークショップの告知や場所の確保、運営、会員への情報提供や学会誌の編集、マスコミ対応や講演依頼の対応など、ありとあらゆる業務があるわけですが、3人とも本業は別にあって、片手間でやっておられるんですね。もう大変です。で、その3人のタイプがそれぞれタイプ5、タイプ6、タイプ7なんです。--おお、3人とも『ヘッドセンター』なんですね!先輩ファシリテーター「そうなんですよ。みんなそれぞれタイプが違うんですけどね。不思議とみんな『ヘッド』」--へぇー! これぞ『ハーモニー』ですね!先輩フ「でしょ? 『ハーモニー』。いい言葉だわー! ……あっ!」--どうしました?先輩フ「よくよく考えたら、『ハーモニクス』分類だと、それぞれ『肯定型』『解決型』『反射型』と3分類になるわ!」--あ、本当だ! だからうまく回るんですね!なるほど、こういう異なるタイプで、世の中の秩序は成り立っているわけです。【楽天ブックスならいつでも送料無料】エニアグラム(基礎編) [ ドン・リチャード・リソ ]価格:1,836円(税込、送料込)