当たり屋
うちの患者で、若いのに生活保護の方がいらっしゃいます。「何で働かんのじゃろう?」といつも思っておりました。その方が昨年の初め、バイクに乗っていて交通事故に遭われまして、歯が折れたりしてその治療にいらっしゃいました。その後3カ月くらいして、手にギプスをしているのを見かけました。また交通事故にあったのか?ひょっとして味をしめてしまったのか?そして、昨年末うちのスタッフがスーパーでその方が松葉杖を突いているいる姿を目撃しました。これは完全に味をしめてしまっている。 今から10年ほど前にやはり生活保護の患者さんでいつもギプスしたり松葉杖をついている方がいらっしゃいました。もう何年間もほぼ常にどこか骨折しています。うちの医院でも話題になり「あの人当たり屋なんじゃないん?」と言われてました。まっとうな大人が常に骨折し続ける訳が無い。そしてとうとう数年後、その方の死亡記事が出ました。原因は交通事故。「やっぱり」当たり屋が当たり過ぎた。当たるにしてもかする程度では十分なお金はもらえません。やっぱり骨折しないと。骨折する程当たろうとすれば、これはまた結構な当たり方が必要でしょう。冷静に考えますに、骨折する程の当たり方と死亡する程の当たり方に大きな差が無いような気がします。その微妙なさじ加減を誤って当たり過ぎたのか、はたまた家族に大金を残すために人生最後(ほんまに最後じゃがな)の大勝負に出たのか。 将来自動運転とか出来るようになって、当たろうにも車が事前に察知して当たれなくなったらこの稼業も廃業ですな。