自民党政治は、看板すげかえに
8月14日(水)午前11時に、岸田首相は「不出馬」の記者会見を開いた。
岸田記者会見を読むと
1、「今回の総裁選挙では、自民党が変る姿、新生自民党を国民の前にしっかり示すことが必要だ」
ここで、「自民党が変る」というのは、二つの道があります。
一つは、首相の看板役の顔を変えて、これまでの政治の中身をさらにおし進めようというのか。
それとも、国民の支持率低下にもみられる政治のこれまでのあり方を検討して、「変える」のか。
2、私などは、8月6日から8月15日というのは、日本の矛盾した姿が示されていることを、
前回のブログでも紹介しました。
その矛盾とは、
一つは、79年前の戦争体験・敗戦の反省として、二度と戦争への道はとらないとの反戦・平和の願いの、これは底深い国民的な思いだとおもいます。
ところが、他方、この国の政府は、自国を守るとのこれまでの基本をすてて、くらしや福祉をけずって43兆円の軍事費拡大をすすめだし、抑止力の強化が必要だと、そのためにも憲法改正だ、それが平和への道だと。国会でろくに議論もせずに、政府の閣議だけで押しすすめている、これが自民党政治です。
この「平和」か「戦争」か、この矛盾が、より顕著になるがこの8月の日々と見ていましたが。
3、この岸田首相の14日の記者会見をよむと、それが典型的にしめされています。
岸田首相は問題だらけの、経済政策、原発再稼働、少子化対策、43兆円の防衛費、広島サミット、日米首脳会談などをあげて、「大きな成果をあげることが出来たと自負している」と。他方で「統一協会や政治と金をめぐる問題で国民の政治不信を招く事態が相次いだ」。
「私が身を引くことでけじめをつけたい」。(いいかげんにしろ、ですが)
さらに「憲法改正については、自衛隊の明記と緊急事態条項の条文の形でつめ、発議までつなげていかなければならない」。(国民から乖離した自民党の最近の姿です)
ようするに、首相の看板を変えることで、これまでの路線を、あとの首相がさらにすすめるようもとめているわけです。遺言を残しているわけです。
いったい、このどこに「新生」が、「これまでの政治路線に対する反省」があるんでしょうか。
4、問題は、今の自民党の中には、この安倍・岸田政治路線を転換させるグループがないこと。
「おれが」「おれが」の面々はいても、ただ看板を変えるだけで、その政治の中身は、これまでの安倍・岸田路線を継承し・押しすすめるグループしかいないということです。
だから、顔だけ変えて、さらに同じ道を進めるのか、
それとも、これまでの政治路線ですが、これを真に変える「新生」が出てくるのか、
そのためには、この政治路線のどこを、どの様に転換をはかるのか、それが問われているわけですが。
しかし、そんな声は、どこからも出てこないのが、今の自民党ですね。
ようするに、
自民党の中の争いは「コップの中」の争いで、そこからは、「新生」は出てこないということです。
5、ということは、今、主権者としての国民がその声をあげて、それに対応する政治的な力をつくるという対応が必要だということです。
これまでの自民党政治の、どこが問題なのかを、どこを変える必要があるのかを、明確にして、
政治のあるべき姿を、政策として明確にすることです。
だめですよ、都知事選挙の時のようであっては、
政策論争抜きの、組織力だけの競い合いにさせてはならないということです。
政治選択、政治路線、政策を明確にするということです。
それぞれがどの様な政策をもっている人なのか。
駄目ですよ、中身抜きの姿を比べるといった「コップの中の争い」では。
真に国民の願いを生かそうとするような人がでてくるのか。
国の進路が問われています、国民のしっかりした目で、きびしく審査するということです。
自民党内からまともな反省をする人が出てこない場合ですが、
これまでの自民党ピンチの時の歴史は、自民党は看板の表紙かえしかできないこと、
戦後の政治史が、それを明らかにしています。
そうした時ですから、国民としては、
政界の全体を視野として、その全体の中から、平和・民主の政治的共同をつくる勢力を探るということです。国民が望む政治とは何かを明確にして、本当の政治転換を責任をもってすすめれる政治の主体をつくるということです。
国民のための真の政治転換を実現する、それが、今すべての政治家、政党に問われていることです。
自民党の問題は、その基本にこの国民自身の懸案があるということです。
観客席で、コップの争いをながめてたんじゃダメなんです。
それが国民自身に問われていることです。