10月の石垣山みかん園の課題
秋雨前線がおりてきて、ようやく小田原のみかん園も秋風です。
自然の移り行きは大したものです。
がしかし、晴れれば、少し動いただけでも大汗です。
10月、みかん園早生みかんの収穫のはじまりです
早生みかんが黄色く色づきだしてきました。
しかし、初めは「はやもぎ」に要注意です。
せっかくここまで、育ててきたんですから、熟した美味しいみかんをとることが大事です。
私などは、以前は、この色付きに喜んで、どんどか収穫しちゃったんです。
しかし、それは駄目。
自分の舌で確かめて、、熟した美味しいミカンを提供するのが、みかん農家のポリシーなんです。
香酸柑橘のスダチやカボスについては、
すでに9月下旬から、収獲量は少しなんですが、始めだしています。
では、早生みかんの収穫は、いつからどうか
去年の記録で見てみたんですが。
10月17日に、0.7コンテナ(12キロ)が最初の収穫でした。
800gとして10袋余にして、
これは今年のみかんの味見用として、都会の常連のひとたちに届ければ終わりです。
10月30日には、2コンテナ(40キロ)がとれましたが、親戚縁者におくったら、終わりでした。
ようするに、消費者のみなさんに届け出すのは、
11月の初めからです
もちろん、八百屋さんには、すでにみかんが並んでいます。
しかし注意して産地を見てみてください。
九州や、四国などのみかんのはずです。
暖かい地方では、みかんの成熟が早くて、はやく出回るんです。
それに対して、小田原方面は、みかんの産地としては北限なんです。
しかし、これがみかんの愛好者としては、独特の貴重さがあるんです。
「酸味のなかの甘さ」、「昔ながらのみかん」とも評されますが、
ようするに、独特の刺激的な味なんです。
農家の人は「味がのってくる」といっいますが、独特に美味しいんです。
早く採りたい、焦る気持ちをおさえて、美味しく熟したみかんを提供する、
スローモーションの、各駅列車です。
しかし、いよいよその収穫の時が、はじまりだしたというこということです。
しかし、もう一つの作業があります
その収穫の前に、みかん園全体の草刈りが必要です。
この写真の意味が分かりますか。
隣の放任園から伸びてきているクズやヤブカラシによって、
みかんの木がほとんど覆いつくされちゃっているんです。
これを剥ぎ取らないと、みかんがとれないどころか、
みかんの木に陽がささず、木自体が枯れちゃうんです。
「収穫の前の9月前までに、畑全体の草刈りを」
と言っていたのは、このことなんです。
しかし、この間の時期というのは、
晴れれば炎天下、そこに台風や秋雨前線の雨のために、思うようには草刈り作業が出来なかったんです。
逆に、雑草の方は、雨で水が提供されて、生きいきと伸びてきますから、ご覧のような事態です。
これでは、みかんを落ち着いて収穫するどころじゃなくなるわけです。
木にすら、近づけなくなるわけです。
そうしたことで、農家の人たちはこの二重仕事です。
畑周辺の草刈りとともに、みかんの収穫を少しずつ始めだすということです。
すでに7,8月の炎天下の作業で、体はクタクタなんですが、
しかし、みかんの色づきだすのを見れば、そんなことは言ってられません。
なんのために、この1年間、あれこれの苦労をしてきたのか。
ということで、自らの体に鞭打って、
これから、美味しいみかんを提供するために頑張るということです。
基本的には、農家にとっては、収穫の秋は喜びなんです。
もっとも、その苦労に報いるような、理解あるような、
政治や社会環境であってほしいものですが。
それは、この10月に、これからつくるということです。