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カテゴリ:生涯青春
戦中から織田作フアンだった青空書房の坂本健一さん、古書店業界誌『彷書月刊』1992年12月号で「我がこころ内なる織田作之助」を書かれている。織田作の作品と重なるような長屋での青春時代の苦労、そして織田作に思想がないと極めつける評論家に対して、「日毎生命ぎりぎりの中でひたすら生きているものにとって思想とは生きることを措いてない。生活感溢れる小説の展開にこそ力強い思想が生きている」と批判されている。
今年、67年営業してきた大阪中崎町の古書店を畳まれることになったことは新聞でも報道されたが、本日伺ったら息子さんが90歳の年を気遣って勝手に決めたことで、かなわんわと怒っておられた。坂本さんにしては、仕事をしていることで元気がもらえるとの気概がずっとあったからこそだ。 来春からは近くの狭い自宅でブックカフェのようなものを開き、古書ファンと引き続き触れ合いたいとの想いが張り紙に記されていたので、ほっとした。お茶は出せないかもしれんとは坂本さんの弁だったが。 若い客に、自分を客体化することで、苦境を乗り越えてきたと語っておられたが、余輩にも頂いたありがたい至言として受けとめた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年12月16日 21時54分20秒
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