聖の青春
「3月のライオン」というマンガにドはまり中の我が家。中学生でプロ棋士になった桐山君を主人公に、人とのつながりや温かさ、切なさや深い哀しみが丁寧に描かれていて、それでいて笑っちゃう要素もたくさんあって何度読んでも全然あきない、大好きなマンガなのです。桐山君のライバルとして登場するのが、ムッチリ体型のお坊ちゃま二階堂。幼少期から病気でほとんど学校にも行けず、将棋だけが友達だったという設定。じいやがそばについていて、あれやこれやと世話を焼かれている異色棋士なのだけれど実はこの二階堂君、モデルがいるのだそうです。 羽海野 チカ 3月のライオン 6巻 afb↑この表紙が二階堂君。将棋好きならピンと来ると思うけど、モデルは29歳で早世した村山聖棋士。幼い頃にネフローゼを発症し、病院のベッドの上で将棋に没頭し、名人まであと一歩のところまで登りつめながらもこの世を去った若き棋士。羽生善治が東の天才と呼ばれ、村山聖は西の怪童と恐れられ、将棋会の新世代として注目されていたのだとか。将棋のことは分からないけど、3月のライオン読んで、二階堂のモデルがいると知って「聖の青春」という本を図書館で予約しました。と、時期を同じくして、この本を原作に「聖の青春」がなんと映画になるというニュースが!!その村山棋士を演じるのが、松山ケンイチなのですが、そういえば、マツケンすっごい太ってテレビに出てて、うわーどうした?と思っていたのですが実はこの映画の撮影で、ネフローゼを患う村山棋士を演じるために太ったんだそうです。聖の青春 講談社文庫 / 大崎善生 【文庫】映画のシーンがネット上にアップされたけど、村山棋士そっくりで驚いた。命を削って削って将棋に向かい続けた村山棋士の物語は、マツケンにとっても命を削る想いで向き合った作品になったのでは・・・と思ってます。本はその村山棋士の幼少期から亡くなるまでの物語。読めば読むほど、若くして亡くなられたのが惜しまれます。羽生さんとの関わりやエピソードには胸が熱くなりました。将棋は分からないので、本の中に紹介されている棋譜のスゴさは残念ながら理解できないところも多いけれど全身全霊をかけてあの小さな盤に向かう棋士の世界を垣間見れて神聖であり、情熱的であり、恐ろしい世界だなと感じています。予断ですが、サッカーをするのに将棋ってすごくいいんだそうです。将棋は俯瞰で盤を上から眺めるので、サッカーでは俯瞰でピッチ見渡せる力ってものすごく大事なんだと、コーチが言ってたなぁ・・・