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2004/10/09
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カテゴリ:読書
この本は今年の7月に発行されました。
が、昭和天皇が崩御される数年前から執筆され、ご崩御とほぼ同じくして完成されたとのことです。
つまり、1980年代の後半に書かれたということです。
内容は、タイトルのとおりで、昭和天皇を中心とした歴史です。
山本七平は、戦時中は砲兵少尉としてフィリピン戦線を転戦、マニラで捕虜になるという体験をお持ちの方です。

気になった箇所を引用します。

「ファシズムは議会制民主主義と裏腹の関係にある。いわば国権の最高機関である国会が、その議決によってある人間に全権を付与したのだから、その人間は合法的に独裁権を持つという論理である」
■少し考えてみると、そういうことかと思えてくる。

「天皇は幼児期から決して器用でなく、図画や手工は不得手、またいわゆる文学青年の要素は全くなく、作文は苦手であり、また俊敏活発で要領のいい方ではなかった。簡単にいえば、巧みに時流に乗ったり、かつがれたりするタイプではない。この点、秩父宮とは正反対といってよく、小学校のころの成績は秩父宮より天皇の方が悪かった」
■天皇の悪口を書いているようだが、その後に長所が書かれています。
そのうちの一つは、「驚くべき持続力」です。一つのことをはじめたら決してやめないとのことです。
うろ覚えですが、軍事演習で何時間も馬上で身じろぎをしなかったと、何かで読んだ記憶があります。

「ファシストのイタリアもナチスのドイツも、あらゆる問題を実に能率的に克服して、すべての問題を一掃したように見えた。否、少なくとも新聞はそう報じた。それは中国の大躍進や文化大革命のときの報道と共通する一面をもっていた」
■ナチスドイツでは、失業がなくなり、娼婦が消えて、アウトバーンができ、国民車がいずれは一家に一台行きわたる。
こういった良いことを、新聞は報じたということと思います。
物事の真実を見極められるようになりたいものです。







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Last updated  2004/10/09 09:59:25 PM
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