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テーマ:世界の国々・・・(14)
カテゴリ:日本地理・世界地理
中断している拡張工事 1889年~90年の、ネリー・ブライとエリザベス・ビスランドの世界一周は、アメリカ大陸横断鉄道とパナマ運河(ともに1869年開通)を使って行われました。このとき、パナマ運河は開通していませんでした。 1880年、スエズ運河の建設者レセップスがパナマ運河の建設を始めます。しかし、技術的問題、黄熱病、資金不足に直面し1889年に建設計画は放棄されます。このころ、大西洋岸と太平洋岸を結ぶ航路の必要性を感じていたアメリカ合衆国は、パナマ政府と条約を結びパナマ地峡地帯を永久租借地にしました。 アメリカによる建設工事は1903年に始まりました。運河の設計をレセップスの考えた海面式(スエズ運河と同じ)から閘門式(ガツゥン湖<海抜26m>を利用)に変更し、約10年の工事期間を経て1914年8月15日に開通しました。今年2014年はパナマ運河開通から100周年になります。 開通してからもアメリカが運河の管理権を持っていました。しかし1999年12月31日、運河はパナマ政府に全面返還され、現在はパナマ運河庁が管理しています。その後、運河を通航する船舶がさらに増加したため、パナマ政府は2006年に運河拡張計画を発表して拡張工事が始まりました。 「パナマ運河拡張計画 Panama Canal Expansion」 現在パナマ運河を通行可能な船は長さ294.1m、幅32.3m以下(このサイズをパナマックスという)に限定されています。しかし拡張工事が完成すれが、現在よりも大きな船舶が通航できるようになるのです。拡張工事は当初の計画によると運河開通から100周年の今年2014年に完成する予定でした。 「パナマックスの変化」 このパナマ運河拡張計画が、今暗礁に乗り上げています。(以下「日本経済新聞」2月6日記事引用) 【ロサンゼルス=共同】パナマ運河庁によると、運河の拡張工事を請け負っている企業連合が5日、工事を中断した。企業連合が着工後に発生したと主張するコストの負担をめぐる運河庁との協議が決裂した。2015年6月とされる完成時期の遅れが懸念される。太平洋と大西洋を結ぶ海上交通の要衝であるパナマ運河の拡張で通航容量が増えれば、米国産の新型天然ガス「シェールガス」の輸入に役立つと日本でも期待が集まっている。 「ミラフローレス閘門」 パナマ政府にとって運河は貴重な観光資源であり収入源です。それだけに国民投票までして決定された運河拡張計画が中断することはパナマ経済にとって大きな打撃です。拡張工事の今後が注目されます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014/02/17 12:14:03 PM
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