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カテゴリ:最近読んだ本
「ご先祖様も被災した」 新聞記者である著者が、東日本大震災の被災地にあった福島県・宮城県・岩手県の寺社を取材した記録です。被災地の寺社は、被災した寺院や社殿の復旧だけでなく、檀家や地域のよりどころとしての役割をどのようにして再構築するかという課題に直面しているのです。 「ご先祖様も被災した」 各宗派の本山は震災への支援金を拠出している。ところがその支援金は一般支援金に繰り入れられ、末寺である自分たちの寺院の復旧には使われていないとのことである。 檀家が数百戸という大寺院でも、肝心の檀家が被災したり原発事故の影響で避難したりで消息がつかめず、多額の費用がかかる寺院や墓地の復旧には手が付けられていない。とりあえずアパートに本尊を安置して遺骨を並べ、要請のある檀家の法要に出かけたりするという仮住まいをする寺院もあるというのです。 「まけないたおる」は宗派の違う3人の僧侶の考えがインターネットで結びついて生まれました。首にも頭にも巻けない「まけないタオル」を被災地の人に配りたいと提案したのは山形県最上町の曹洞宗松林寺住職三部義道さんだった。タオル製造にはタオル業者が協力し、「まけないタオル」の歌詞も出来た。作詞は宮城県山元町の曹洞宗徳本寺住職の早坂文明さんだ。 「まけないタオル」 泥にまみれて 明日が見えなくなっても まけないぞ まけないぞ 夕陽にまけない 涙で曇り あなたが見えなくなっても 曲を付けたのは「歌う尼さん」で知られる奈良県の浄土真宗教恩寺のやなせななさんでした。 このような、心の面から支援するつながりもできつつあるという。震災からもうすぐ3年です。住宅再建など物的な面での支援も当然必要ですが、心の支援もこれから息長く続けていかなければならない大きな課題なのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014/03/07 01:27:36 PM
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