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中国建国70年、独裁の変遷をたどる
ロシアによるウクライナ侵略は、プーチン大統領の目論見とは違って簡単には進んでいない。ロシアが「特別軍事作戦」と呼ぶ侵略は2月24日から始まり2カ月半経ったが、ウクライナ軍は予想外の善戦を続けている。 このロシアによるウクライナ侵略をきっかけに、長い間中立を保ってきたフィンランドやスゥエーデンがNATO加盟を真剣に検討し始めた。和平の話は間に入る国があってこそ進む。しかし、今回の侵略戦争で仲介できる国はないし国連も無力だ。 これは他人事とは思えない。日本のまわりにも危険な隣人が存在している。それはロシアのプーチンはもちろん、北朝鮮の金正恩、中国の習近平である。 ここでは習近平(中国共産党)を取り上げる。中華人民共和国の建国から70年が過ぎた。その過程における権力闘争、民衆の弾圧、漢民族以外の諸民族に対する弾圧などなど。竹のカーテンの向こうの出来事を我々は体系的に学んだことはない。 「中国革命の歴史を知る」 (ソ連は解体したが、中国は資本主義を巧みに取り入れて成長してきた) 「独裁の中国現代史」の著者、楊海英は新潟大学教授:文春新書 2019) 最近中国は「一帯一路」のスローガンで南シナ海への進出を始めた。中国の膨張政策の原点は「中華思想」だと上記の書の著者は言う。中国は世界の中心という思想を中国代々の王朝は継承し、周辺国に朝貢させ地位を与えその存在を認めた。 1921年に、コミンテルンの影響で中国共産党が結党される。そして、辛亥革命から25年後(19537年)に始まる日中戦争の中で、国民党と共産党は対立し、共産党の長征(逃避行)が始まる。その過程で毛沢東が中国共産党内での実権を握る。 これ以降、中国共産党は多くの権力闘争や文化大革命・天安門事件・香港の民主化運動の弾圧などを経てチベット族やウィグル族などの周辺の民族も弾圧し、その存在を抹殺しようとしている。中国共産党の党員数は9500万人で、14億人の人口の7%程度といわれる。(世界最大の政党は党員一億人を超えるインド人民党) 中国共産党員が人口の7%と知った時は意外だった。しかし、支配される立場の人がいない権力は存在出来ない。また。巨大な政党ゆえ権力の座についた者はあらゆる手段で政敵の芽を摘む。密告の奨励がその第一の方法である。 習近平は2015年に台湾の馬英九総統と史上初の首脳会談を行った。両首脳は「一つの中国」原則を確認した。習指導部は2012年以来「中華民族の偉大な復興」という目標を掲げ、その最終目標は中台統一なのである。これは対岸の火事ではない。(現在の蔡英文総統(民進党)は「二つの中国」の立場で穏健な現状維持派) 中国共産党中央委員会は、国家主席の任期を「2期10年まで」とする憲法の条文を削除した。この改正により習近平は任期が切れる2023年以降も、国家主席の座にとどまることができるようになった。 憲法改正して権力に居座るのはプーチンの手法と同じで、習近平の中国共産党における独裁色はますます強まっている。習近平は穏健な調整型とも言われるが、日本にとって本当に危険な人物になろうとしているのである。 ↓ランキングに参加中、良かったら下のバナーをクリックしてください。 写真日記ランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022/05/26 11:46:55 AM
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