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テーマ:旅について(1)
カテゴリ:旅について
人間の基本的欲望「自己表現欲」
元同僚が自宅を訪ねてきた。彼は「日本百名山」を達成しましたと、いうメモをもって数日前に家を訪ねてくれた。仕事をしながらの百名山登頂は厳しかっただろう。その彼は今は早期退職して、今後の旅の計画を準備中という。 その後のメールのやり取りで、私自身の旅の経験やノウハウについて訊きたいという。それで、彼の質問に対する回答の要点をあらかじめプリントしておいた。彼は13時半にわが家のチャイムを鳴らした。後で知ったが、現在、火曜日はバス代が無料という取り組みが試行中だ。旅慣れた彼はその情報を把握していたのだ。 彼は玄関に入ると自分が撮った海外の写真に気づいた。写真に言及したのは、今までの来客でわずか2人目である。イスタンブールとギリシャの写真を展示しているが、多くの人は気づかない。流石に彼は根っからの旅人だ。 「玄関の写真展示」 (旅先の写真からは、その時の風や人々のざわめきまでもがよみがえる) 旅の写真は、シャッターを推した時の自分の気持ちや感じ方までも思い出させてくれる。国内であれ国外であれ、旅の記録は欠かさず写真を添付してブログにアップしているから、その地の大まかな印象は何年たってもよみがえる。 「部屋にも旅の写真」 (しかし、旅の写真のほとんどはパソコンの中に眠っている) 写真はプリントしてなんぼのもので、PCやスマホで見るだけではもったいない。フィルム時代には必ずプリントしていたからなおさらそう思う。 第一の質問は、YouTubeやブログにアップするための準備や機材、アップの目的やアップ後の感想などだった。古いブログはもう15年目に入っている。続けることの大切さ、アップの目的は見る人のためより自分の記録のためと答えた。 「蔵書の一端」 (沢木耕太郎の「深夜特急」は旅への大きな動機付けとなった) 第二の質問は、クルーズ船に関する諸々の質問だった。回答の要点を書き出してプリントしたものを元に話した。ただ、バックパッカーの旅を主としている彼にとってはクルーズ船の旅は多分合わないだろう。 ふと気づくと窓の外は暗く。19時をまわっていた。次のバスは19時半だというので、バス停まで送っていった。予想したように話の種は尽きなかった。 彼と話していて改めて思ったことがある。それは人間にはいくつかの基本的欲望があるが、その中の一つに「自己表現欲」があるということだ。人間が「考える葦」であるとするなら、考えたことを表現することも人間の重要な欲望となる。 アルタミラの壁画、ピラミッドやナスカの地上絵もそうだし、日本で言えば多くの古墳や万葉集や古今和歌集、源氏物語なども自己表現だ。世界は自己表現による創造的な遺跡や文化財、美術品であふれている。 それらを見て歴史や人物に思いを馳せ、感じたことを表現することは、生きていることを再発見するような意義あることだ。多分そのため、画家は人生の最後の瞬間まで絵筆を持っている、自分ならカメラやキーボードに向かっているだろう。 ↓ランキングに参加しています。応援のクリックをお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023/02/23 06:33:01 PM
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