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テーマ:人権問題について(11)
カテゴリ:人権を学び心をたがやす
人権の歴史は人類の長い歴史と比べるとごく短い
※今日(6/27)、地域の人権同和教育に携わる委員の皆さんの研修会で話したことを簡潔にまとめました。パワーポイントの資料として、ここ2カ月ほどの、人権に関する新聞記事(佐賀新聞)を利用しました。 「人権を尊重しよう」、「社会的弱者の人権を守ろう」、「高齢者の人権を守ろう」などの言葉をよく耳にするようになりました。「人権」という言葉はいろいろな場面で出てきます。だけど「人権」という言葉が具体的にどんなことをさしているか、はっきり理解できている人は少ない。その時々の状況や、感情で「人権」という言葉が使われているのではないかでしょうか 「人権」は、歴史的には近世(日本の江戸時代以降)に西欧で生まれ、長い期間を経て獲得されたものです。「人は一人ひとりがかけがえのない、尊いものである」という意味です。端的に言えば、いかなる場合にも「個人の尊厳や幸せを踏みにじったり無視してはならない」という考え方です。 けれど「かけがえのない尊い一人ひとり」の中には、植民地の人々や、人種の異なる人びと、奴隷などは含まれない時期が長く続いたのです。アメリカの黒人への人種差別は特に南部において長く続き、黒人の人々は心身ともに劣悪な環境で過ごした。(今、黒人の人権を尊重し、黒人を指す英語の「ブラック」について、1文字目を小文字のblackではなく、大文字のBlackとする動きが米メディアで広がっている。) 女性やこどもの「人権」を考えない時代も長かった。女性参政権が第二次世界大戦終了前に認められていた(完全に男女平等でない場合も含め)国は20か国にすぎなかった。日本はじめ多くの国では、1945年以降に男女平等の参政権が認められました。「人権」の考え方が世界共通の理念として認識し始められたのは、1948年に国際連合が出した「世界人権宣言」以降です。 人権の考え方は、国や地域によって大きな格差があります。経済的に貧しい開発途上国や、内戦などで政情が不安定な国では多くの難民が発生し、弱者である女性やこどもの人権が危機にさらされています。世界の人々の暮らしには大きな格差がある。「数千年前の古代人の暮らしをしているような人」もいれば「インフラが整い、先進的なモノに囲まれ、超高級な生活をしている人(セレブ)」がこの地球の同時代に存在しています。 「SDGs」(持続可能な開発計画)は、 達成期限の2030年まであと6年。ウクライナの戦争やガザの内戦、各地で起こっている環境破壊などを考えたら、「SDGs」は後退している。私は「SDGs」は、「地球という惑星と、この惑星の全ての生き物に対する愛」だと考えます。自分が出来ることから始めるべきでしょう。 私たちはこれから「人権問題」にどう向き合えばよいか SNSやAIが発達してきたこれからの社会では、多くの情報の中から、何が正しいかを見極め、自分の考えを正しく発信する力が必要になる。身近な生活の範囲内では、多くの情報から自分なりの考えを持つとともに、他者の意見も聞いて、多様な考え方を受け入れ他者と共存する寛容さも大切になってきます。 人権は「守るもの」ではなく、獲得して「創り出すもの」 近世以降、庶民が闘って勝ち取ったのが「人権」なのです。時代の変化に応じて、「人権の内容」は変ってゆくので「常に学ぶ姿勢」が大切です。「人権」は「教えるもの」ではなく、「共に考え学ぶ」ものだという考え方を常に忘れてはいけません。 ※質疑応答の時間が無かったので、皆さんの反応は分かりませんが、自分なりに現在の人権状況を、記事を使いながら分かりやすく話したつもりです。 ランキングに参加しています。良かったらクリックをお願いします。 写真日記ランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/07/03 10:31:11 AM
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