裁判所からAさんの破産免責決定の書類が届いた。
長かった、ようやくといった感じだ。
Aさんに電話すると、
「色々ありがとうございました」と、当時とは考えられない、清々しい声が返ってきた。
Aさんが、最初に事務所に見えたのは4年半ほど前、奥さん同行で・・・ ・・・ 。
奥さんからは事前に 「本人を責めないでください、自殺するかもしれませんから」
と電話が入っていた。
金融会社からの、借金合計1300万円 、借入先が銀行系のため引直ししても減らない。
そして住宅ローンの残債は3,000万円あった。
本人は精神的に病んでしまって、会社も休業、とても払っていける状態でなかった。
「せっかく、手に入れたマイホーム、手放すなら死んだ方がマシだ」
本人の気持ちもわかる。
病気が回復して仕事に復帰したら、個人再生でも何とかいける。
しばらく様子を見ることにした。
個人再生を申し立てたのは、その2年半後だった。 しかしネックがあった。
住宅ローンの借入額と物件購入価格に相違あることが判明した。
本人は覚えていないとのことだが、その時の借金を住宅ローンに組み込んだようだった。
不動産会社の入れ知恵だったのか?
再生委員にも骨を折ってもらったが、結局不認可、あとは自己破産しかない。
「自宅を守るのか? それとも家族を守るのか?」
この頃には、本人の病状も回復、そして今、置かれている状況もわかったらしく、
素直に自己破産を受け入れてくれた。
仕切り直しの自己破産は管財事件、ここでも色々問題があったが、無事免責に漕ぎつけた。
これで、借金からは完全に開放された。
そしてAさんは マイホームを失ったが、それよりも大切な家族を守ることができた。
奥さんも、大変だったが、返って夫婦の絆が深まったようだ。
これからは、Aさんに、そして家族に幸多かれと願うばかりだ。
マイサイト 過払い請求・債務整理の手引き
(全国から無料相談受付中、場合によっては出張相談も可能です)