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カテゴリ:映画「元町映画館」でお昼寝
ニコラス・ローグ「マリリンとアインシュタイン」元町映画館 2022年の秋から見始めている「12ヶ月のシネマリレー」も折り返し点を過ぎました。 1954年の、ニューヨークが舞台のようです。地面の通風孔から吹き上げる風にマリリン・モンローのスカートがめくれ上がるという、まあ、で、2023年6月のプログラムはニコラス・ローグ監督の「マリリンとアインシュタイン」でした。1985年に作られた作品のようですが、マリリン・モンローとアインシュタインの取り合わせにはなんとなくな記憶がありましたがあてにはなりません(笑)。 モンローといえばアレ!というシーンの撮影中、通風孔の下から風を送っている二人の男のシーンから映画は始まりました。 笑えます! で、歴史的(?)撮影を終えた人気女優は疲れています。セクシー女優としての仕事にも、プロ野球選手との夫婦生活にも・・・、で、彼女が今したいことは「抱かれたい男NO1」のあの男と「特殊相対性理論」について議論することだったのです。 もう、一度、笑えます! まあ、そういう脈絡で、舞台は天才物理学者のホテルの部屋ということになります。で、女優が先ほど買い込んだ列車のおもちゃや懐中電灯を駆使しながら特殊相対性理論について会話がはじまります。天才物理学者は楽しそうです。とはいながら、さあ、ここから二人は?という明け方近くになって、女優の夫で元野球選手は闖入するわ、赤狩りの上院議員が飛び入りするわで、ハチャメチャな一夜です。 やっぱり、笑えます! とうとう、夜が明けてしまって、時間は8時15分です。壊れていた目覚まし時計と物理学者の腕時計と女優の時計の時刻が重なり合った、その時、場面は一気に破局の様相を呈し、天才物理学者は絶望し、美しい女優は火だるまと化して世界が終わります。見事でしたね。 もう、笑えません! 蛇足ですが、8時15分、ヒロシマで原爆が炸裂した時刻です。女優と野球選手の間にはどうしても子供ができないという挿話がもう一つのカギでしょうね。 悪夢から覚めた天才物理学者に、女優はにこやかに手を振って去っていきます。衝立のせいで、女優の手だけ見えているラストは素晴らしいです。 アメリカ映画だと思って観ていましたがイギリス映画でした。だからどうだということは分かりませんが、マリリン・モンローとかアインシュタインとかの描き方の明るさとか、野球カード・フェチのジョー・ディマジオとか、あのトニー・カーチスが演じる赤狩りで名を残しているマッカシーに対する辛辣な批評性はイギリス的でしたね(笑)。 納得の1本でした。映画のあいだ中、モンローのあの衣装で頑張っていたテレサ・ラッセルと、まあ、上手なコメディアン・アインシュタインを演じていたマイケル・エミル、理に落ちそうなテーマを「笑い」で描いたニコラス・ローグ監督に拍手!でした。 原題は「Insignificance」です。「無意味」とか「些末」ということだと思いますが、家に帰って調べてもう一度笑いました。やってくれますねえ。まあ、ホントは笑えないのかもしれませんがね(笑)。 監督 ニコラス・ローグ 脚本 テリー・ジョンソン 撮影 ピーター・ハナン 美術 デビッド・ブロックハース 衣装 シュナ・ハーウッド 編集 トニー・ローソン 音楽 スタンリー・マイヤーズ キャスト テレサ・ラッセル(マリリン・モンローかも?) マイケル・エミル(アインシュタインかも?) トニー・カーティス(赤狩りのマッカーシーかも) ゲイリー・ビューシイ(ジョー・ディマジオかも) ウィル・サンプソン(エレベータボーイ) パトリック・キルパトリック 1985年・109分・G・イギリス 原題「Insignificance」 配給:東北新社 日本初公開:1986年8月8日 2023・06・24・no76・元町映画館no174 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.06.30 22:25:52
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