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カテゴリ:映画「元町映画館」でお昼寝
ピーター・グリーナウェイ「英国式庭園殺人事件」元町映画館 「ピーター・グリーナウェイ レトロスペクティヴ 美を患った魔術師」の2本目は「英国式庭園殺人事件」でした。
1本目がシェイクスピアのテンペストのネタでしたから、まあ、イギリスの時代劇なわけでしたが、この作品も、多分、日本でいえば江戸時代のなかばというか、17世紀から18世紀くらいのイギリスの田舎貴族のお屋敷での話のようで、登場する画家が1枚8ポンドで12枚だかの絵を請け負うという筋立てなのですが、これがどの位の価値なのか、そこのところが妙に気になった映画でした。 固定相場で、ドルが360円だった1950年代にポンドは1000円くらい(?)だったと思うのですが、17世紀とかいうことになると、まったく見当がつきません。 まあ、ほとんど、どうでもいいことなのですが、映画の終わりまで気になっていて、帰って来て調べても、やっぱりわかりませんでした。 次に気になったのが絵画です。主人公らしき人物であるネヴィルという男が画家で、この映画ではハーバートという田舎貴族の奥方に雇われて、屋敷の風景を書くという設定で、前回は本だったわけですが、今回は絵でした。 まあ、その絵の描きかたあたりから、実に映像的に工夫されていて、この監督の、多分、味わいの一つなのでしょうね。 で、油絵を描くのかと思うと線描画だったことに驚きましたが、構図を縦横に糸を貼ったファインダーというか、構図用の枠を備えて、そこから覗いた風景が、リアルな描線に変化していって、1枚の写生画になっていくあたりの撮り方はとても面白いと思いました。 そうそう、絵といえば、シーンの中に、いかにも、 これはフェルメールかな? という構図があったりしましたが、そう言えば、上に書いたファインダーというかも、フェルメールだったかの対象把握の道具と似ているかもしれませんね。でもね、結局、 何で、フェルメールなの?という、まあ、ハテナになってしまうところが、この映画なわけです(笑)。 で、映画は、彼が描いた絵のなかに、結果的には殺されていたハーバート卿の遺留品が書き残されていたということから、その絵を描いた画家が、この殺人の真相を見ていたに違いないという 推理としては全く成り立たない! 理由から、ハーバート卿殺しを疑われて、とどのつまりは屋敷に出入りしている男たちによって惨殺されて終わるのですが、この間のストーリー展開について理解している人がいるなら解説してほしいという 「何があったの?ポカーン?」 という作品でした。 で、1本目で気になった全裸の登場人物(笑)ですが、この作品では屋敷の庭にあるブロンズの彫刻が、体を緑に塗った人間なのですね。 映画の途中で、庭の隅の彫刻が動き出すシーンが、わざわざ映し出されるので、 「さて、これが殺人の真相を、なにか暗示するのかな?」 と思って見ていたのですが、どうも、何の関係もなかったようで、 「なんやねん???」 というか、そういうのを登場させたいから映像にしたという感じでした(笑)。 画家と、屋敷の女主人、その娘の関係も、いってしまえば不倫ですが、肉体的交渉まで含む「絵」に対する報酬条件とか、興味津々で見ましたが、殺人事件の謎解きといい、 それでなんやったん? という結末で、 アゼン! でした。笑うしかありませんね(笑)。 とか、なんとか、いいながら、結構、面白がって見終えたことは事実で、確かにこの監督には「妙に引っ張られる、わけのわからなさ」がありますね。ということで、あと2本、やっぱり見てしまいそうです。ボクもヒマですね(笑)。 監督・脚本 ピーター・グリーナウェイ 撮影 カーティス・クラーク 美術 ボブ・リングウッド 衣装 スー・ブレーン 編集 ジョン・ウィルソン 音楽 マイケル・ナイマン キャスト アンソニー・ヒギンズ(ネヴィル 画家) ジャネット・サズマン(ハーバート夫人) アン=ルイーズ・ランバート(タルマン夫人) ニール・カニンガム(トマス・ノイズ) ヒュー・フレイザー(ルイ・タルマン) デイブ・ヒル(ハーバート氏) 1982年・107分・イギリス 原題「The Draughtsman's Contract」(画家の契約) 日本初公開1991年 2024・04・03・no054・元町映画館no238 追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.04.17 12:36:34
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