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カテゴリ:映画「元町映画館」でお昼寝
ヤスミン・アフマド「タレンタイム」元町映画館 昨日、7月25日に見たのが「細い目」、で、今日見たのが「タレンタイム」です。マレーシアの女性監督ヤスミン・アフマド追悼15周年特集での上映です。
「タレンタイム」って何ですか? まあ、そんな気分で見始めました。タレント発表会、だから、まあ、いってしまえば学芸会、文化祭のことでした。舞台は、日本でいえば高等学校、登場人物たちはおおむねその年頃の少年・少女たちです。 ボクの、最近の流行言葉でいえば「あんた誰?」を自分自身に問いかけざるを得ない年頃の彼らが、目の前の他者に対しても「あんた誰?」と、問わざるを得なくなるのっぴきならない事態に、否応なく遭遇し、「問う」ことではなくて、「行動する」ことにしか活路がない現実、まあ、いってしまえば人生の真実と出会う話です。 ちょっと脈絡がめちゃくちゃですが、思いだしたで書きますが、三田誠広が「僕って何」(河出文庫)で芥川賞をとったのが1977年で、学生運動でもみくちゃになった高校生の発するのんきな「自分への問い」に呆れた思いを、周囲の友だちと語り合った記憶があります。しかし、ボク自身、ちょうど大学生だったわけですが、フト立ち止まると、まあ、 そんなふうに「問う」ことのリアル に、こっそり、うなずく、そういう年頃で、そういう時代がありました。 この映画の発表会=タレンタイムに登場する少年・少女たちは、もちろん「あんた誰?」とも、「僕って何?」とも問うわけではありません。しかし、次々と彼らが演奏する、様々な音楽は、音楽という共通性を剥ぎ取れば、歴史性、言語、社会階層のギャップの坩堝を暗示するわけで、 あんた誰?合戦!になりそうなのですが、映画は、少年、少女たちが各々奏でる それぞれの音楽を共に謳う世界への希望! を語っていると思いました。 昨日見た「細い目」から5年後に撮られた作品でした。何だかよくわからなかった監督の創作意図というか、モチベ―ションというかが、「細い目」を見て考え込んだせいもあるでしょうが、くっきりとわかる気がしました。 追悼特集ということで配布されていたヤスミン・アフマド監督の笑顔が美しい遺影の絵葉書です。冷静に現実を見据えながら、とても、率直で、素直な映画という印象でした。拍手! 監督・脚本 ヤスミン・アフマド 撮影 キョン・ロウ 音楽 ピート・テオ パメラ・チョン(ムルー・高校生) マヘシュ・ジュガル・キショール(マヘシュ・高校生) モハマド・シャフィー・ナスウィップ(ハフィズ・転校生) ハワード・ホン・カーホウ(カーホウ・優等生) アディバ・ヌール 2009年・115分・マレーシア 原題「Talentime」 2024・07・26・no094・元町映画館no253 追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.08.07 23:20:05
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