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カテゴリ:映画「元町映画館」でお昼寝
チアラ・アベザニ マッテオ・デルボ「医学生ガザへ行く」元町映画館 チラシを見て即決しました。
まあ、行き先が「ガザ」ですから見ないわけにはいきませんよね。 そういう気持ちで元町映画館の初日にやって来ました。チアラ・アベザニという人とマッテオ・デルボという人が共同で監督したらしいドキュメンタリー「医学生ガザへ行く」です。 「これ、ホントにドキュメンタリー?」 といいたくなるような、何というか絵に描いたような、よくできた青年の成長譚で、いや、ホント、まずは、そこに驚きました。 修士課程を修了したイタリアの大学の医学部の学生が、「エラスムス」という、まあ、日本でいえば病院研修でしょうが、EUがすすめる国際交流教育のプロジェクトで、なんと、あのガザの大学病院にエラスムス=留学するというのです。それを、カメラは最初から最後まで追いかけます。主人公のリッカルド・コッラディ-ニくんが、 なぜ「ガザ」を選んだのか?というと 救急外科医になりたいから! と、まあ、そういう説明ではあるのですが、正直、それって説明になっていませんよね。 しかし、リッカルド君は大きなリュックを担いで、入国もままならないガザにやってきて、デモをする人たちが壁の向うから狙撃され、救急車で運び込まれる救急病院の現場を実体験し、毎夜のように繰り返されるイスラエルの爆撃の恐怖にさらされ、女性とは親しく交流しないという、やがて親友になる現地の医学生サアディ君の態度に出会うことで、アラブ文化、イスラム文化、そして、パレスチナ、ガザを知るのです。 実習する救急病院を紹介してくれた、ジュマナという名だったと思いますが、若い女性が 「70年間続く状況だけれど、私たちガザっ子は真実を知っているから、怖れることも、故郷を捨てることもない。」 と発言します。 実習先の病院でリッカルド君を指導しながら、淡々と手術をこなしていく中年の医師が 「お金のためじゃなくて、人の命を救いたいから」と発言します。 そういう言葉に支えられてでしょうか、爆撃を恐れ、次々と運び込まれる患者にパニックを起こしそうになりながら、リッカルド君がこの世界を理解し、医師になる意志を固めていくのが見ていてわかります。 見ている、こっちこそが胸打たれる言葉が ドキュメンタリ―として聞こえてくるのです。 イタリアに帰って医学部を卒業する青年は、きっと、 ボクにはパレスチナに友達がいる。 という心をもった医師になるでしょうね。いや、ホント、スゴイ映画です。拍手! ボク自身は、今、話題になっているガザというところがどういうところなのかを目の当たりにした映画でしたね。 それは、平和なヨーロッパから初めてやってきた青年の素朴な実感で見た、町並みであり、海であり、デモの様子、闇の中の爆撃ですが、何よりも、 そこで生きている人々の姿ですね。この映画体験は実に貴重でしたね。これから、まあ、いろんな事を考えていくときの指標の一つになるでしょうね。 拍手!ですね。 監督・脚本 チアラ・アベザニ 監督・撮影 マッテオ・デルボ 編集 アントニオ・ラッブロ・フランチャ 音楽 ミケーレ・ストッコ ミルコ・カルチェン アレッサンドロ・グロッソ キャスト リッカルド・コッラディ-ニ サアディ・イェヒア・ナクハラ 2021年・88分・スペイン 原題「Erasmus in Gaza」 2024・10・05・no128・元町映画館no258
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最終更新日
2024.10.29 21:01:03
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