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カテゴリ:読書案内「社会・歴史・哲学・思想」
岸田奈美「国道沿いでだいじょうぶ100回」(小学館) サンデー毎日の日々を映画館徘徊で暮らしている老人ですが、春と秋のシーズン、週に一度だけ女子大生の皆さんとお出会いして、おしゃべりさせていただいています。
で、その学校の図書館でも本をお借りできるというラッキーを、ここ数年満喫していたのですが、今年2024年の春、 「借りてばかりで、返さないのは、ちょっとあかんのじゃないだろうか。」 と殊勝なことを思いついてリュックいっぱいの本を担いでお返しに行ってみると、いかにも真面目そうな司書の方から 「えーっとですね、ちょっと延滞がひどいですね。8月末迄貸出禁止ですね!」 と申し渡され 「アワワ!」 でした。ほぼ、半年前ね。 で、9月の新学期になったので、「だいじょうぶかな?」とオソル、オソル、カウンターに差し出したのがこの1冊でした。 岸田奈美という方の「国道沿いでだいじょうぶ100回」(小学館)です。 書き手の岸田さんについても、内容についても何も知りませんでしたが、題名に励まされたんですね。 「だいじょうぶ!だいじょうぶ!」 でしたね(笑)。 で、書き手についてパラパラ見ていると「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」(小学館)という本で評判になった方というのを見て、フト、 「ああ、あの本の著者か?題名が、ちょっとイヤでスルーしたな。」とか思いだしましたが、 「この3年間で「だいじょうぶ」が口ぐせになってしまった。」 という書き出しの「はじめに」から読み始めて、とまらなくなりました。短いエッセイを集めた1さっつなのですが、次から次へと止まりません(笑)。 なんなんだ、この「????」は? はい、かっこの中にどう書いていいのかわからないので???なのですが、まあ、取り合えず思いつくのは「吸引力」ですかね。「馬が合う」というのでもいいかもですが、内容はともかくとして、語り口が気に入ったんでしょうね。 で、まあ、案内としては、書名になっている「国道沿いで大丈夫100回」ですね。 子どものころ、人気の遊び歌があった。 ここまでが実況中継、で、ここからが、著者である岸田奈美さんの気持ち。 幼かったわたしには、知らなかったことがたくさんあった。 と、まあ、こうです。いかがでしたか? 実は、この章はまだまだ続きます。続きが気になる方は本書を手に取ってくださいネ。 書き写しながら、岸田さんのおかあさんのことを思い浮かべてしまって、70歳の老人は、やっぱり泣いてしまうのですが、いい方がジジ臭くて申し訳ないのですが、書き手の岸田さんも、この母ありて、のお嬢さんですね。 本書には、良太くんが「ことば」を獲得していく興味深いエピソードとか、お母さんの入院の話とか、読み始めたら止まらなかったわけで、いかがでしょう、「面白い」は語弊がありそうですが、面白いですよ(笑)。
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最終更新日
2024.10.16 13:27:20
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