『迷惑な進化』
最近になって遺伝子の研究が進み、いろいろな病気が解明されてきました。娘の病気は、17番目の染色体の遺伝子の異常によるものらしいです。難病認定もまだまだ最近なんですよ。 『迷惑な進化』シャロン・モアレム著、矢野真千子訳【内容情報】私たちの遺伝子には、さまざまな危機的環境を生き延びてきた歴史が蓄積している。もしあなたが糖尿病なら、それはおそらく17世紀の短い氷河期に端を発している。急に訪れた極寒状況で、血糖値が高いために生き残った人びとの子孫であることを意味するのだ。異色の若手科学者による「楽しく読める」進化学。なぜ病気の遺伝子がこれほど多くの人に受け継がれてしまったんだろう?そもそも進化とは、有害な遺伝子を淘汰し、役に立つ遺伝子だけを残すもののはず。なのに、なぜこんな遺伝子が生き残っているんだろう?―進化医学の新鋭、シャロン・モアレムが案内するメディカル・ミステリーツアーへようこそ。 【目次】第1章 血中の鉄分は多いほうがいい?第2章 糖尿病は氷河期の生き残り?第3章 コレステロールは日光浴で減る?第4章 ソラマメ中毒はなぜ起きる?第5章 僕たちはウイルスにあやつられている?第6章 僕たちは日々少しずつ進化している?第7章 親がジャンクフード好きだと子どもが太る?第8章 あなたとiPodは壊れるようにできている この作者は、体内の鉄分が過剰になるへモクロマトーシスという遺伝性の病気で、祖父がアルツハイマーになった時にこのへモクロマトーシスとの関連性を見つけ出した。ヘモクロマトーシスの患者は細菌性の病原菌に強く、ペストにかかりにくいらしい。中世のペスト流行の結果、ヘモクロマトーシスの遺伝子が残されたという。糖尿病は氷河期を生き延びるためとか、ソラマメ中毒をおこす遺伝子を持った人は耐マラリア性があるなど遺伝病のメリットみたいなことが書かれてある。病気の遺伝子がなぜ現代まで淘汰されず残されてきたのか?それはその遺伝子にとって有利な状況があったからではないか?と作者は考え解説している。