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2010.05.12
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カテゴリ:不思議の話
  バラ
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国際日本文化研究センター教授の小松和彦氏の考えでは、人間の心から怖いという思いと、神を敬うことは同時に消えたのではないか。
そして神と妖怪を区別するものは、「祀られた」か、「祀られなかったか」だと考えた。
例えば菅原道真は冤罪で大宰府に流されて死に、死後、京都御所に雷雲となって現れ、人を殺し、疫病を流行らせた・・と思われたため、天満宮として祀られた。
祀るという行為は、怖れられ、嫌がられる「もの」を制御するために行われた。
この場合の「もの」は、魂であると考えられる。
逆に祀られなかった「もの」は、不思議なもの、薄気味悪いもの、奇妙なものであり、これが妖怪となる。
現在、妖怪話とされるものは、実は幽霊話ばかりであり、河童に出会ったとか、天狗にさらわれたとかの話は聞かれなくなった。
幽霊の幽はあの世のことであり、人が死後に行く世界だから、完全にあの世へ行ってしまっては幽霊にはならない。
何か強い思いが残っていて、死んでも魂だけがこの世に残ってしまった、つまり成仏できないものが幽霊になる。
幽霊は、あの世とこの世の境にいる存在だ。
幽霊は死んだ「もの」の霊魂の異常状態を示すもので、人間にだけ使われる。
生前の固有名詞や、個人史を持った存在である。
固有名詞を失ったら、単なるお化けと呼ばれる。
したがって、幽霊は完全なる死者にはなれず、しかし生者でもなく、さ迷う霊魂ということになる。
幽霊になる原因は、葬礼・儀礼を受けられなかったか、受けてもこの世に強い執着や未練があるもの。
幽霊の社会的関係は狭く、怨念や愛情が理由で出現するので、限られた人間の物語になる。
「物の怪」が「依座」の口を借りてものを言うのは「崇り」。
中世後期頃から、崇りと幽霊は合体したといわれる。






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最終更新日  2010.05.13 08:18:43
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